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T豚S(笑) 〜vol.2
- 2006.11.30 Thursday
- 野球以外
- 20:21
- comments(2)
- trackbacks(21)
- by ベースボールマニア
下手にテレビ番組見るより、
光栄歴史シミュレーションゲームのデモプレーを延々と見続ける方が面白いと感じてきた、
どんどん時代の先端から取り残される僕であります(どうでもいい)
まず私事で申し訳無いのだが(いやその為のブログだろ普通…)、
先日通販で生まれて初めて同人誌なるものを買ってみた。
とあるゲームキャラが題なのであるが、楽しませて頂いた。多謝。
ゲームといってもレトロゲームしかやらない僕は、
そちら方面での守備範囲は広島・嶋の外野守備並に狭い。
だからプレーヤーに対して媚売るようなキャラクターには嫌悪を抱くのかもしれないが、
やはり製作者側が無理にベタベタと設定を付けず、
良質のゲーム並びにキャラクターを作り上げるべきだ、と感じている。
今は製作者のオ○ニーというか自己満足に塗り固められるものが少なくないので
と、このヘナチョコブログらしからぬ話はこれ位にしておき、
タイトルの件。
最初は「T豚Sは早く横浜球団を売り払えよ」と、
割と軽めの話で済んでいたのだが、
今現在「マスゴミの毒だからT豚Sは放映免許失ってくれ」等と、
強く願うようになってしまった。
そんな思いでとある日、
ネットサーフを繰り返していると、
横浜球団絡みの件で信じられないものを見てしまった。
といっても数年前の事象なので乗り遅れは否めないが。
横浜・古木克明“安室ダンス”で失策減らす
横浜の古木克明外野手(23)が早ければ来春の沖縄・宜野湾キャンプで、
沖縄・アクターズスクールに入校することが14日、明らかになった。
プロ野球選手としては超異例の“ダンストレ”でリズム感を養い、守備難の克服を目指す。
発端は峰岸球団社長の一言だった。
「守備にはリズム感が必要。エラーが多い古木は、ダンスを習ってリズム感をつけるべき」
今季は22本塁打を放ちながらリーグワーストの20失策を犯した若き大砲に、
驚きの“矯正計画”を提案した。
これに一役買おうというのが、
横浜のキャンプ地の沖縄・宜野湾市内にある沖縄・アクターズスクール。
過去に安室奈美恵、SPEEDらを輩出するなど、
歌やダンスを通じて人間性を磨くことを目標とする、全国屈指のアイドル養成所だ。
過去に、お笑い芸人が同校の短期レッスンを受けたことはあるが、
野球選手の入校は例がない。
「昔からラジオ体操についていくのがやっとだった」とダンス経験のない古木には、
小、中学生対象の初心者向けレッスンが用意される予定だ。
沖縄・宜野湾での秋季キャンプでは、守備面の強化に取り組んでいる。
今季は内、外野を兼任していたが、来季は外野一本でレギュラー獲りを狙う。
それだけに「はっきり言って踊るのは恥ずかしいけど、守備につながるのなら」と、
未知なる世界に興味津々の古木。
さらなる飛躍のため、プライドを捨てて踊りまくる。
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚ Д゚) え?
(ポルナレフがありのままに起こったことを話す〜より)
横浜を応援する前に言っておくッ!
おれは今T豚Sの姿勢をちょっとだけ体験した
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『古木が守備強化のため練習に取り組んだと
思ったらいつのまにかダンスしていた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何を見たのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
地獄の特守だとか居残り練習だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいアイドル嗜好の片麟を味わったぜ…
あまりの事に固まったので、
以下、落合博満の名言で占めたいと思う。
「練習でできないことは試合でできない。また、練習でできるようになっても試合でできないこともある。試合でできるようになったらその質を高めていく。」
光栄歴史シミュレーションゲームのデモプレーを延々と見続ける方が面白いと感じてきた、
どんどん時代の先端から取り残される僕であります(どうでもいい)
まず私事で申し訳無いのだが(いやその為のブログだろ普通…)、
先日通販で生まれて初めて同人誌なるものを買ってみた。
とあるゲームキャラが題なのであるが、楽しませて頂いた。多謝。
ゲームといってもレトロゲームしかやらない僕は、
そちら方面での守備範囲は広島・嶋の外野守備並に狭い。
だからプレーヤーに対して媚売るようなキャラクターには嫌悪を抱くのかもしれないが、
やはり製作者側が無理にベタベタと設定を付けず、
良質のゲーム並びにキャラクターを作り上げるべきだ、と感じている。
と、この
タイトルの件。
最初は「T豚Sは早く横浜球団を売り払えよ」と、
割と軽めの話で済んでいたのだが、
今現在「マスゴミの毒だからT豚Sは放映免許失ってくれ」等と、
強く願うようになってしまった。
そんな思いでとある日、
ネットサーフを繰り返していると、
横浜球団絡みの件で信じられないものを見てしまった。
といっても数年前の事象なので乗り遅れは否めないが。
横浜・古木克明“安室ダンス”で失策減らす
横浜の古木克明外野手(23)が早ければ来春の沖縄・宜野湾キャンプで、
沖縄・アクターズスクールに入校することが14日、明らかになった。
プロ野球選手としては超異例の“ダンストレ”でリズム感を養い、守備難の克服を目指す。
発端は峰岸球団社長の一言だった。
「守備にはリズム感が必要。エラーが多い古木は、ダンスを習ってリズム感をつけるべき」
今季は22本塁打を放ちながらリーグワーストの20失策を犯した若き大砲に、
驚きの“矯正計画”を提案した。
これに一役買おうというのが、
横浜のキャンプ地の沖縄・宜野湾市内にある沖縄・アクターズスクール。
過去に安室奈美恵、SPEEDらを輩出するなど、
歌やダンスを通じて人間性を磨くことを目標とする、全国屈指のアイドル養成所だ。
過去に、お笑い芸人が同校の短期レッスンを受けたことはあるが、
野球選手の入校は例がない。
「昔からラジオ体操についていくのがやっとだった」とダンス経験のない古木には、
小、中学生対象の初心者向けレッスンが用意される予定だ。
沖縄・宜野湾での秋季キャンプでは、守備面の強化に取り組んでいる。
今季は内、外野を兼任していたが、来季は外野一本でレギュラー獲りを狙う。
それだけに「はっきり言って踊るのは恥ずかしいけど、守備につながるのなら」と、
未知なる世界に興味津々の古木。
さらなる飛躍のため、プライドを捨てて踊りまくる。
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚ Д゚) え?
(ポルナレフがありのままに起こったことを話す〜より)
横浜を応援する前に言っておくッ!
おれは今T豚Sの姿勢をちょっとだけ体験した
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『古木が守備強化のため練習に取り組んだと
思ったらいつのまにかダンスしていた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何を見たのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
地獄の特守だとか居残り練習だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいアイドル嗜好の片麟を味わったぜ…
あまりの事に固まったので、
以下、落合博満の名言で占めたいと思う。
「練習でできないことは試合でできない。また、練習でできるようになっても試合でできないこともある。試合でできるようになったらその質を高めていく。」
アメリカという「猛獣」に対抗するためには…
- 2006.11.30 Thursday
- レス
- 18:45
- comments(0)
- trackbacks(7)
- by ベースボールマニア
>妃垣俊吾さん
逆に現行のFA規約はありがたい、と思っている球団も存在すると思います。
今回の松坂ポスティングに拘った西武も、過去には清原がFAまであと1年、という時に大幅昇給(1.6億→2.5億)して移籍された際の保障金もアップしようと企てた、と噂されてましたし…
要は峠を超えた選手を追い出して保障金を獲得する、といった手法ですかね。そんな球団があるが故になかなか実行に移れない、と推測します。
>トマトさん
えっと、名前がないのですが…IP同じだしトマトさんですよね?(違ったらスンマセン)
キャリアを期間にするのは大体同意見であります。
アメリカ移籍に関しては…ポスティングシステムを見直せという声を良く聞きますが、アメリカ側と話し合って、という訳には中々いかないので難しいと思います。
WBCで優勝するなど日本プロ野球が実力の程を見せ付けていますので、アメリカ側も盛んに選手を取り込み弱体化させる…といった図式を思い浮かべてしまうのです。
「FA制度導入で巨人という猛獣が柵に入るのを許したがために、さらに強いアメリカという巨獣が入り込んできてしまった」ような感じですかね。
だからアメリカに対抗するには、流出に負けじと新戦力をドンドン抜擢・成長させる事で果たすしかないと感じております。
逆に現行のFA規約はありがたい、と思っている球団も存在すると思います。
今回の松坂ポスティングに拘った西武も、過去には清原がFAまであと1年、という時に大幅昇給(1.6億→2.5億)して移籍された際の保障金もアップしようと企てた、と噂されてましたし…
要は峠を超えた選手を追い出して保障金を獲得する、といった手法ですかね。そんな球団があるが故になかなか実行に移れない、と推測します。
>トマトさん
えっと、名前がないのですが…IP同じだしトマトさんですよね?(違ったらスンマセン)
キャリアを期間にするのは大体同意見であります。
アメリカ移籍に関しては…ポスティングシステムを見直せという声を良く聞きますが、アメリカ側と話し合って、という訳には中々いかないので難しいと思います。
WBCで優勝するなど日本プロ野球が実力の程を見せ付けていますので、アメリカ側も盛んに選手を取り込み弱体化させる…といった図式を思い浮かべてしまうのです。
「FA制度導入で巨人という猛獣が柵に入るのを許したがために、さらに強いアメリカという巨獣が入り込んできてしまった」ような感じですかね。
だからアメリカに対抗するには、流出に負けじと新戦力をドンドン抜擢・成長させる事で果たすしかないと感じております。
期待の新星が進んで入団したくなるような組織を 〜FA制度の実態
- 2006.11.30 Thursday
- コラム系
- 18:43
- comments(1)
- trackbacks(7)
- by ベースボールマニア
これまでダラダラと書き綴ってきた感があるので、
結局のところFAをどうすればいいのか纏めてみる。
選手会側は期間短縮を求め続けているが、
「ドラフト選手の入団拒否を防ぐ」という建て前もあってのことだから、
それならば普通に球団在籍年数を期間とした方が良いだろう。
入団してから無条件で10年経過したら権利取得、という風にすれば、
高卒選手は28歳で権利が取得できる。
そうなると有力高校生達も迂回ルート(大学・社会人)に走らず、
卒業時点で入団しようという欲がもっと強くなるはずである。
まあそれには、
プロ側もしっかりと高卒選手を育成して一軍に送り出すという配慮が必要になるのだが、
それについては以前にも語ったとおり、
競争意識を煽り立てるような組織が作られれば問題はない。
何せ近年は、
大卒・社会人出身の即戦力選手でさえ、
純粋に即戦力となれるとは限らないのである。
これも各球団が即戦力選手ばかりをかき集め、
高卒選手を抑え込んでいるから起こりうる事である。
競争に敗れた即戦力選手は2〜3年のファーム期間を経て、
再び競争の舞台に立つ訳であるが、
それなら高卒と何ら変わりないのではないか。
要はファームの平均年齢が上がり、全体的に遅咲きとなっている。
だから即戦力と将来性のバランスがとれるよう、
目減りしている高校生の新入団選手の増加に勤めてほしい。
選手の権利云々よりも、これが主たる思いである。
権利を手にした選手は、
人気球団でもメジャーでも何処にでも行けばいい。
だけど、権利行使により抜けた選手の穴をすかさず埋められる事ができるか。
こちら方面にメスを入れてもらいたい。
結局のところFAをどうすればいいのか纏めてみる。
選手会側は期間短縮を求め続けているが、
「ドラフト選手の入団拒否を防ぐ」という建て前もあってのことだから、
それならば普通に球団在籍年数を期間とした方が良いだろう。
入団してから無条件で10年経過したら権利取得、という風にすれば、
高卒選手は28歳で権利が取得できる。
そうなると有力高校生達も迂回ルート(大学・社会人)に走らず、
卒業時点で入団しようという欲がもっと強くなるはずである。
まあそれには、
プロ側もしっかりと高卒選手を育成して一軍に送り出すという配慮が必要になるのだが、
それについては以前にも語ったとおり、
競争意識を煽り立てるような組織が作られれば問題はない。
何せ近年は、
大卒・社会人出身の即戦力選手でさえ、
純粋に即戦力となれるとは限らないのである。
これも各球団が即戦力選手ばかりをかき集め、
高卒選手を抑え込んでいるから起こりうる事である。
競争に敗れた即戦力選手は2〜3年のファーム期間を経て、
再び競争の舞台に立つ訳であるが、
それなら高卒と何ら変わりないのではないか。
要はファームの平均年齢が上がり、全体的に遅咲きとなっている。
だから即戦力と将来性のバランスがとれるよう、
目減りしている高校生の新入団選手の増加に勤めてほしい。
選手の権利云々よりも、これが主たる思いである。
権利を手にした選手は、
人気球団でもメジャーでも何処にでも行けばいい。
だけど、権利行使により抜けた選手の穴をすかさず埋められる事ができるか。
こちら方面にメスを入れてもらいたい。
10年選手制度の功罪 〜FA制度の実態
- 2006.11.26 Sunday
- コラム系
- 07:29
- comments(4)
- trackbacks(3)
- by ベースボールマニア
1974年以前、
選手の権利として「10年選手制度」なるものがあった。
1947年に導入され、
10年以上球団に在籍した選手に対し、
「移籍の自由」「ボーナス授与」「引退試合主催」といった権利を与えるとしたもの。
移籍とボーナスは当時は二者択一であり、
また選手が受ける権利もA級とB級に別れており、
B級の選手は移籍する事が出来ない。
ちなみにA級選手とは、
同一球団に10年在籍した選手のことであり、
B級は、複数球団の在籍年数を併せて10年に達した選手である。
再取得に要するのは3年。
当時はこの再取得は、1度目にA級として権利を受けていても、
再取得時はB級の権利しか受けられないとされていた。
しかし1958年の田宮謙次郎選手を巡る騒動で、
一部仕様が変更された。
具体的には、当時のコミッショナーが、
「A級権利でボーナスを得て残留すればその選手はA級のままであり、移籍自由の権利は残る」と誤って声明発表してしまい、
この声明が正式なものとなってしまい、
田宮が在籍していた大阪タイガースのフロントはこれを聞き、
「ボーナス与えたとしてもその後移籍される可能性」を考え、
田宮との契約を結ばず、権利行使→大毎へ移籍という形になった事件である。
これ以降、このコミッショナーの見解通り、
A級権利でボーナスを得ても移籍権利は残る事になった。
この権利は1975年で撤廃されたのだが、
ドラフト制度の普及で思うような選手補強が出来なくなった有力球団が、
主力選手を自チームに縛ろうと考えての事だと思う。
それ故「縛り料」は高く貰わなければならないという、
選手側の考えとが捻りあい、
それが現在も続いているのだろう。
さて、この制度と現在のFA制度を比べてみよう。
FA制度は、その選手が一軍選手登録されない限り、
取得までに必要な年数を縮めることが出来ない。
最短9年というルールだが、
実際に最短で獲得した選手は皆無なのではないか。
平均すると11年以上にも昇るという。
10年制度はその点では万能である。
入団から10年が経過すれば無条件に権利を手にする事が出来るからだ。
数字だけなら一見FA制度の方が美味しく見えるが、
実質的にはこちらの方が誰にでも貰えるチャンスが生まれる。
実際に権利行使して移籍した人数を比べてみると、
FA制度下では45人(大リーグ移籍も含む)。
それに対し、10年制度はわずか11人である。
これでは「移籍の活性化」になってないじゃないか、
当時の選手は皆ボーナスを求めたのだろう、という意見が生まれそうだが、
その頃の野球界はリーグ編成自体が不安定だった。
1950年の2リーグ分割をはじめ球団の合併・消滅を繰り返し、
ようやく両リーグ6球団ずつという今の原型がとられたのが1958年だった。
コロコロと状況が変わるから、
当然選手が置かれる立場も変遷していく。
引き抜きやトレード移籍が活発に行われており、
それにより10年制度を行使するいとまが無かった、
という時代背景であろう。
この「権利行使以外での移籍」では間違いなく活性化するはずである。
例えニ軍選手であっても10年間在籍すれば権利は手に入るから、
当然そんな選手は10年在籍する前に淘汰される。
以前に名を挙げた、
広島・鈴衛のような例はまず生まれない。
逆に遅咲きの例が生まれないのでは、という危惧もあるが、
野球界全体が見切りが早くなるのならば、
反対に抜擢のスピードも速まるはずである。
一方主力でも二軍選手でもない「そこそこ」の一軍半の選手であるが、
球団に必要な戦力ではない、
権利を与えるのに相応しくない、などと球団が判断すれば、
二軍選手同様に容赦なく放出されるであろう。
しかし実力があれば他球団の眼に叶い再雇用されるだろうし、
新天地で見返すチャンスは今以上に広がるのではないか。
3回に渡って書いてきてややこしくなって来たので、
次回でどのように変えていけばいいだろうか纏めてみる。
選手の権利として「10年選手制度」なるものがあった。
1947年に導入され、
10年以上球団に在籍した選手に対し、
「移籍の自由」「ボーナス授与」「引退試合主催」といった権利を与えるとしたもの。
移籍とボーナスは当時は二者択一であり、
また選手が受ける権利もA級とB級に別れており、
B級の選手は移籍する事が出来ない。
ちなみにA級選手とは、
同一球団に10年在籍した選手のことであり、
B級は、複数球団の在籍年数を併せて10年に達した選手である。
再取得に要するのは3年。
当時はこの再取得は、1度目にA級として権利を受けていても、
再取得時はB級の権利しか受けられないとされていた。
しかし1958年の田宮謙次郎選手を巡る騒動で、
一部仕様が変更された。
具体的には、当時のコミッショナーが、
「A級権利でボーナスを得て残留すればその選手はA級のままであり、移籍自由の権利は残る」と誤って声明発表してしまい、
この声明が正式なものとなってしまい、
田宮が在籍していた大阪タイガースのフロントはこれを聞き、
「ボーナス与えたとしてもその後移籍される可能性」を考え、
田宮との契約を結ばず、権利行使→大毎へ移籍という形になった事件である。
これ以降、このコミッショナーの見解通り、
A級権利でボーナスを得ても移籍権利は残る事になった。
この権利は1975年で撤廃されたのだが、
ドラフト制度の普及で思うような選手補強が出来なくなった有力球団が、
主力選手を自チームに縛ろうと考えての事だと思う。
それ故「縛り料」は高く貰わなければならないという、
選手側の考えとが捻りあい、
それが現在も続いているのだろう。
さて、この制度と現在のFA制度を比べてみよう。
FA制度は、その選手が一軍選手登録されない限り、
取得までに必要な年数を縮めることが出来ない。
最短9年というルールだが、
実際に最短で獲得した選手は皆無なのではないか。
平均すると11年以上にも昇るという。
10年制度はその点では万能である。
入団から10年が経過すれば無条件に権利を手にする事が出来るからだ。
数字だけなら一見FA制度の方が美味しく見えるが、
実質的にはこちらの方が誰にでも貰えるチャンスが生まれる。
実際に権利行使して移籍した人数を比べてみると、
FA制度下では45人(大リーグ移籍も含む)。
それに対し、10年制度はわずか11人である。
これでは「移籍の活性化」になってないじゃないか、
当時の選手は皆ボーナスを求めたのだろう、という意見が生まれそうだが、
その頃の野球界はリーグ編成自体が不安定だった。
1950年の2リーグ分割をはじめ球団の合併・消滅を繰り返し、
ようやく両リーグ6球団ずつという今の原型がとられたのが1958年だった。
コロコロと状況が変わるから、
当然選手が置かれる立場も変遷していく。
引き抜きやトレード移籍が活発に行われており、
それにより10年制度を行使するいとまが無かった、
という時代背景であろう。
この「権利行使以外での移籍」では間違いなく活性化するはずである。
例えニ軍選手であっても10年間在籍すれば権利は手に入るから、
当然そんな選手は10年在籍する前に淘汰される。
以前に名を挙げた、
広島・鈴衛のような例はまず生まれない。
逆に遅咲きの例が生まれないのでは、という危惧もあるが、
野球界全体が見切りが早くなるのならば、
反対に抜擢のスピードも速まるはずである。
一方主力でも二軍選手でもない「そこそこ」の一軍半の選手であるが、
球団に必要な戦力ではない、
権利を与えるのに相応しくない、などと球団が判断すれば、
二軍選手同様に容赦なく放出されるであろう。
しかし実力があれば他球団の眼に叶い再雇用されるだろうし、
新天地で見返すチャンスは今以上に広がるのではないか。
3回に渡って書いてきてややこしくなって来たので、
次回でどのように変えていけばいいだろうか纏めてみる。
双方歩み寄りは出来ないのだろうか
- 2006.11.26 Sunday
- レス
- 02:07
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- by ベースボールマニア
>妃垣俊吾さん
契約金とFAは、潤沢とはいえない日本プロ野球で両立させるのは厳しいと思います。
特に選手会案(HP参照)だと自分達の利益→野球界にとってプラスになるような事が書いてあっても、財源と相談しながら判断しなければならない経営者側の事を考えているのだろうか、と疑問に思います。
今のまま期間を短縮したら更なる年俸相場増も考えられますし。
プロ入り後の働きが利益増になるのは当然として、「退職金先払い」の節がある現在の契約金については本当に疑問が残ります。年金制度が廃止されるというので、ますますその流れ強まると思いますが…
契約金とFAは、潤沢とはいえない日本プロ野球で両立させるのは厳しいと思います。
特に選手会案(HP参照)だと自分達の利益→野球界にとってプラスになるような事が書いてあっても、財源と相談しながら判断しなければならない経営者側の事を考えているのだろうか、と疑問に思います。
今のまま期間を短縮したら更なる年俸相場増も考えられますし。
プロ入り後の働きが利益増になるのは当然として、「退職金先払い」の節がある現在の契約金については本当に疑問が残ります。年金制度が廃止されるというので、ますますその流れ強まると思いますが…
何人も檻が拘ると駄目になるのだろうか
- 2006.11.26 Sunday
- レス
- 01:47
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- by ベースボールマニア
>トマトさん
選手に読書感想文とか書かせる伊原新コーチを見て、「これ何処の学校ですか?」と突っ込みたくなる今日この頃です。これオリックス時代にもやっていたような…
技術面の追及は人一倍なので、プロ・アマの壁が完全に無くなったら伊原には是非アマチュア指導に精を出してもらいたいのですが。
近藤はロッテを離れる際の「次はもっと強いチームでやりたい」発言でもう終わってると思います。あの年(98年)のロッテは確かチーム打率1位・防御率2位とトップクラスだった様な…
(近藤はフロント入りのようで。こっちの手腕には期待していいのだろうか)
>岡田の継投
03年は阪神独走でイメージが薄かったせいか、後半戦の認識が曖昧でありました。申し訳ないです。
となると、岡田は星野後期の継投を踏襲していた訳ですね。
そういえば80年代以降阪神生え抜きの監督って二遊間の職人タイプばかりですね。何となく「中間管理職」なイメージを抱かせるような。
それで失敗が続いて掛布などのスターとも不仲ですので、タイプが違って結果も(一応)出した岡田を重視している…こんな図式なのでしょうね。
選手に読書感想文とか書かせる伊原新コーチを見て、「これ何処の学校ですか?」と突っ込みたくなる今日この頃です。これオリックス時代にもやっていたような…
技術面の追及は人一倍なので、プロ・アマの壁が完全に無くなったら伊原には是非アマチュア指導に精を出してもらいたいのですが。
近藤はロッテを離れる際の「次はもっと強いチームでやりたい」発言でもう終わってると思います。あの年(98年)のロッテは確かチーム打率1位・防御率2位とトップクラスだった様な…
(近藤はフロント入りのようで。こっちの手腕には期待していいのだろうか)
>岡田の継投
03年は阪神独走でイメージが薄かったせいか、後半戦の認識が曖昧でありました。申し訳ないです。
となると、岡田は星野後期の継投を踏襲していた訳ですね。
そういえば80年代以降阪神生え抜きの監督って二遊間の職人タイプばかりですね。何となく「中間管理職」なイメージを抱かせるような。
それで失敗が続いて掛布などのスターとも不仲ですので、タイプが違って結果も(一応)出した岡田を重視している…こんな図式なのでしょうね。
選手会案だと解決するのか 〜FA制度の実態
- 2006.11.26 Sunday
- コラム系
- 01:47
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- by ベースボールマニア
FA制度の改革という話題になると、
必ずといっていいほど叫ばれるのが、
「FA権取得に必要な期間の短縮」「補償金制度の撤廃」だろう。
日本プロ野球選手会の公式ページを参考にさせて頂くとともに(感謝)、
そこに載せてある意見について色々と考える。
つうか「当サイトへリンクを張っていただく場合は、リンクを張っていただくページのアドレスをご通知ください(基本的にリンクフリーです)」←これリンクフリーって言わない
取得までの期限を短縮せよ、
これは野球ファンならば大抵一度は聞いたことがある意見であろう。
FA権取得には最短で9年(逆指名選手は10年)を要する。
しかもその期間は1軍登録日数を下に計算される(1年=145日)から、
故障があったりローテーションの調整とかで抹消されると、
必然的に取得まで遠ざかる。
よって最短9年とはいっても、
大概の選手は10年以上かかるはずである。
だから若いうちに移籍の自由が叶えられるよう、
FA期間の短縮が求められているのだろう。
国内移籍と海外移籍は別々に、なんて提案もあったが、
既にFA権はアメリカ側に目を付けられており、
アメリカも盛んに期間短縮を求めて来ている。
よって切り離すのは至難の業といえる。
(具体的な要望は選手会ので7年、アメリカが6年)
「海外移籍は野球界にとって良いこと」という基本理念を持つ選手会だから、
仮に選手会の要望が通ったとしたら、
このアメリカの要求をかわす事は出来るのだろうか、
なんて恐ろしい妄想を抱いたりしてしまうのだが。
僕自身も海外移籍は良いことだと思うが、
現時点では「代わりが育つ」という思想を持っている球団が少数なので、
「抜けたらすかさず補強」の精神が無くならないうちはデメリットの方が多い、
そう考えさせられてしまう。
FAをドラフトとリンクさせる、という意見も多い。
つまりは期間を短縮し、
「頑張れば誰でも移籍の自由が手に入りますよ」と新人に呼びかけたうえで、
完全ウェーバー制のドラフトを実現させる。
それも一つの案であろうが、
↓のような意見を見ると、金銭欲の方が強いのではないかと思ってしまう。
(高い契約金について、の反論)
契約金の上限は1億円とされていますが、1億円で平均11年以上も選手を拘束することが許されるでしょうか?
(約3分間思考停止)
果たしてこれを権利が得られない一軍半の選手や、
中途でトレードされる中堅選手が聞いたらどう思うか…
外国人選手の移籍を引き合いに出しているが、
それは一定期間までに契約できないと自動的に自由契約扱いとなるルールや、
彼らの影で年俸アップせんと働くヒネた代理人、
それに近年の冒険しない外国人補強という問題の方が大きいのではないか。
外国人枠は必要だ、という選手会の意見もあるから、
外国人と一緒くたに語るのならばまず枠を無くせ、
と野暮な突っ込みを入れたくなるのは間違っているだろうか。
ただ市場原理が生まれる、という点には同意。
補償金制度についてだが、
やや緩和されたとはいえそれでも大部分の球団には重みとなる。
資金源に乏しい球団は、
FA移籍の被害者となることでその補償金を補強費としている所もあるらしいが、
それを承知の上で、これは排した方が良いと思う。
そうなると上記の球団は丸損であるが
その分は選手で埋めれば良いのではないか。
FAの補償を必ず人的とする。
育成に自身のある球団は移籍選手の代わりに、
プロテクトから漏れた若手選手を獲れればさしてマイナスにもならない。
選手会案はこれが抜けているのが惜しい。
多くの選手がFA宣言すれば確かにFA市場は拡大するが、
それでは資金不足の球団は第二グループの選手を掴まされる事となるから、
戦力差は埋まらないだろう。
逆にFA市場へ選手を送り出しても、これまでのように補償金が貰えないから、
そこそこの年俸(5〜6千万ぐらいだろうか)でも苦しく手を出さないと思う球団もあるかもしれない。
FA獲得により選手を一人獲られるとなれば、
球団は補強と育成の二つを天秤にかけ、
どちらが現在必要なのか考え、行動に移すことが出来る。
ましてや表で散々FA市場に入り込んだ挙句、「育成の巨人」といって片っ端から育成枠ドラフトで選手をかき集める、
という矛盾も無くなると思う。
いや育成は良い事だけど問題は彼らのモチベーションを保てるかどうかだから
次回は「昔を知っていただく」という名目で、
FA以前の選手の権利制度について語ってみる。
必ずといっていいほど叫ばれるのが、
「FA権取得に必要な期間の短縮」「補償金制度の撤廃」だろう。
日本プロ野球選手会の公式ページを参考にさせて頂くとともに(感謝)、
そこに載せてある意見について色々と考える。
取得までの期限を短縮せよ、
これは野球ファンならば大抵一度は聞いたことがある意見であろう。
FA権取得には最短で9年(逆指名選手は10年)を要する。
しかもその期間は1軍登録日数を下に計算される(1年=145日)から、
故障があったりローテーションの調整とかで抹消されると、
必然的に取得まで遠ざかる。
よって最短9年とはいっても、
大概の選手は10年以上かかるはずである。
だから若いうちに移籍の自由が叶えられるよう、
FA期間の短縮が求められているのだろう。
国内移籍と海外移籍は別々に、なんて提案もあったが、
既にFA権はアメリカ側に目を付けられており、
アメリカも盛んに期間短縮を求めて来ている。
よって切り離すのは至難の業といえる。
(具体的な要望は選手会ので7年、アメリカが6年)
「海外移籍は野球界にとって良いこと」という基本理念を持つ選手会だから、
仮に選手会の要望が通ったとしたら、
このアメリカの要求をかわす事は出来るのだろうか、
なんて恐ろしい妄想を抱いたりしてしまうのだが。
僕自身も海外移籍は良いことだと思うが、
現時点では「代わりが育つ」という思想を持っている球団が少数なので、
「抜けたらすかさず補強」の精神が無くならないうちはデメリットの方が多い、
そう考えさせられてしまう。
FAをドラフトとリンクさせる、という意見も多い。
つまりは期間を短縮し、
「頑張れば誰でも移籍の自由が手に入りますよ」と新人に呼びかけたうえで、
完全ウェーバー制のドラフトを実現させる。
それも一つの案であろうが、
↓のような意見を見ると、金銭欲の方が強いのではないかと思ってしまう。
(高い契約金について、の反論)
契約金の上限は1億円とされていますが、1億円で平均11年以上も選手を拘束することが許されるでしょうか?
(約3分間思考停止)
果たしてこれを権利が得られない一軍半の選手や、
中途でトレードされる中堅選手が聞いたらどう思うか…
外国人選手の移籍を引き合いに出しているが、
それは一定期間までに契約できないと自動的に自由契約扱いとなるルールや、
彼らの影で年俸アップせんと働くヒネた代理人、
それに近年の冒険しない外国人補強という問題の方が大きいのではないか。
外国人枠は必要だ、という選手会の意見もあるから、
外国人と一緒くたに語るのならばまず枠を無くせ、
と野暮な突っ込みを入れたくなるのは間違っているだろうか。
ただ市場原理が生まれる、という点には同意。
補償金制度についてだが、
やや緩和されたとはいえそれでも大部分の球団には重みとなる。
資金源に乏しい球団は、
FA移籍の被害者となることでその補償金を補強費としている所もあるらしいが、
それを承知の上で、これは排した方が良いと思う。
そうなると上記の球団は丸損であるが
その分は選手で埋めれば良いのではないか。
FAの補償を必ず人的とする。
育成に自身のある球団は移籍選手の代わりに、
プロテクトから漏れた若手選手を獲れればさしてマイナスにもならない。
選手会案はこれが抜けているのが惜しい。
多くの選手がFA宣言すれば確かにFA市場は拡大するが、
それでは資金不足の球団は第二グループの選手を掴まされる事となるから、
戦力差は埋まらないだろう。
逆にFA市場へ選手を送り出しても、これまでのように補償金が貰えないから、
そこそこの年俸(5〜6千万ぐらいだろうか)でも苦しく手を出さないと思う球団もあるかもしれない。
FA獲得により選手を一人獲られるとなれば、
球団は補強と育成の二つを天秤にかけ、
どちらが現在必要なのか考え、行動に移すことが出来る。
ましてや表で散々FA市場に入り込んだ挙句、「育成の巨人」といって片っ端から育成枠ドラフトで選手をかき集める、
という矛盾も無くなると思う。
次回は「昔を知っていただく」という名目で、
FA以前の選手の権利制度について語ってみる。
移籍活性化がちっとも進まない 〜FA制度の実態
- 2006.11.26 Sunday
- コラム系
- 00:52
- comments(2)
- trackbacks(19)
- by ベースボールマニア
この議題と関連付けた項目として、
「西武ダブルストッパーFAで一気に移籍」なんて、
誤報もいいところな文章を発信してしまった事に気付いたのが最近の事。(逝け)
誠に申し訳ない。
(正確には、森はポスティングで大リーグ挑戦)
FA制度が出来上がったのが93年のこと。
資金力を振り翳して巨人に戦力を集めたい(そしてミスター・長嶋茂雄に栄光を)という渡辺恒雄の欲望が、選手の権利拡大を求める選手会(当時の会長は現阪神監督・岡田彰布)の思想と結びつき、
「リーグ再編も辞さず」という渡辺の強固な姿勢の下、野球機構が一気に腰砕けとなりこの年オフから実行された。
当然大した議論もなされないままであり、
思想が一致したといっても渡辺と選手会が話し合った訳でもないから、
「移籍の活性化」という選手会の建て前ともいえる思想が反映されず仕舞で、
それが現在も続いている。
変化といえば、金銭保障の際の補償金が軽減(1.5倍→1.2倍)された事ぐらいだろうか。
この制度が実現した後、
選手の総年俸が物凄い勢いで上昇してそれが大赤字を招いたのは周知のとおり。
アメリカではFA権行使した選手は年俸大幅増となるが、
それは一部の球団であり、ぜいたく税という制度もあるから、
財源不足の球団は惜しげもなくそんな選手を放出し、
それを有力球団が獲得するという流れが浮かび上がる。
よって資金力不足の球団は、
アスレチックスのような「マネー・ボール」という思想を持って、
知恵を振り絞らない限り強豪の座に居られないという現実がある。
選手会もアメリカをモデルとしての要求だったと思うが、
「移籍の活性化」という目的は、
アメリカと違い3Aクラスにごまんと選手が居る、という環境ではないから、
現在のFA制度ではその目的を果たせるはずも無い。
それどころか今の選手が、
FA制度が「移籍の活性化」という理念で作られたという事実を理解しているのか。
FAが出来た初期の頃、
巨人の先発3本柱の一角・槙原寛己がFA宣言。
長嶋の「17本のバラ」で残留したというエピソードがあるが、
これ故年俸は一気に生え抜きトップとなった。
斎藤・桑田に比べ芳しくない成績だったので、
このアップには疑問が残る結果となってしまった。
まあ翌年完全試合達成などでアピールしたのが彼の凄い所でもあるのだが…
初期の中心選手でさえこれなのだから、当然近年の選手はもっと薄くなる。
近年で印象深いのが、現楽天・山崎武司の中日時代のケースである。
96年にホームラン王に輝いてからというもの、
不安定な成績を続けていた01年までであり、
この時の年俸は1.2億。
ホームラン狙いになると打率が落ちる典型的なスラッガーで、
01年は打率.238まで落ち込んだ。
守備・走塁の上積みはゼロ(それどころかマイナスなのでは…)だから、
大幅減は当たり前であった。
しかしこの年獲得したFA権を盾に、
球団が提示した額を保留するや、横浜への移籍を匂わす言動を繰り返した。
結果3年契約を勝ち取り、年俸はほぼ現状維持。
移籍する意思が本当にあったかどうかは不明だが、金銭欲が露骨になったのは確かだ。
そして牙を失った山崎は02年大不振で、
3年契約にも拘らず1年で放出されたという大恥をかいたのだが、
これでようやく意識が変わったのか、3球団目の楽天では主力打者に成り上がった。
こうした「宣言残留」が年俸交渉の奥義となり、
それに合わせる様に他選手の年俸相場も上がっていく。
当然、パリーグはこういったFA選手を次々と見送るハメとなったのだが、
それとて責められない。
「ベテランを放出し補償金が得られる方がマシ」と考える経営者だって居るほど、
毎年赤字が著しいのだから…
パの赤字が膨れ上がったのは恐らくこの93年が境であろう。
このFA制度の他、渡辺の1リーグ宣言でパのファンは白け、
長嶋の巨人監督復帰で巨人偏重に拍車がかかった。
ONが引退した後、ようやく野球人気がリーグ全体に行き渡りかけたのに、
これでは前時代に戻ってしまっただけではないか。
識者達は「今の選手は昔と違って働ける場を求めるから巨人に行きたがるとは限らない」と言っていたらしいが、
それがいかに浅はかな読みだったかは言わずもなが。
最近では移籍を希望する選手が居ても、
移籍先を見つけられず残留という現象が見られる。
04年オフのヤクルト・真中満が良い例で、
レギュラーを張れずに3年間を過ごしてきたこともあり、移籍前提でFA宣言した。
しかし半レギュラー的立場であるはずの彼の年俸は1億。
当然興味を示した球団でも、年俸を下げなければ獲ってくれるはずは無い。
実際新球団・楽天が食指を伸ばそうとしたが、
条件面で折り合わずに見送られたという。
そして結局残留である。
この行動でヤクルトフロントの怒りを買ったのか、
FA宣言したにも拘らず年俸25%カットという屈辱を受けた真中。
まあ自業自得といった所だが、
やはり保障というものを考えてか、思い切った行動を取れないのが近年の選手の性なのか。
これも年俸相場が崩れている故に起こることなはず。
と大まかに近年のFAを取り巻く実情を書いてみたが、
次回は選手会側の考えを下に語っていこう。
「西武ダブルストッパーFAで一気に移籍」なんて、
誤報もいいところな文章を発信してしまった事に気付いたのが最近の事。(逝け)
誠に申し訳ない。
(正確には、森はポスティングで大リーグ挑戦)
FA制度が出来上がったのが93年のこと。
資金力を振り翳して巨人に戦力を集めたい(そしてミスター・長嶋茂雄に栄光を)という渡辺恒雄の欲望が、選手の権利拡大を求める選手会(当時の会長は現阪神監督・岡田彰布)の思想と結びつき、
「リーグ再編も辞さず」という渡辺の強固な姿勢の下、野球機構が一気に腰砕けとなりこの年オフから実行された。
当然大した議論もなされないままであり、
思想が一致したといっても渡辺と選手会が話し合った訳でもないから、
「移籍の活性化」という選手会の
それが現在も続いている。
変化といえば、金銭保障の際の補償金が軽減(1.5倍→1.2倍)された事ぐらいだろうか。
この制度が実現した後、
選手の総年俸が物凄い勢いで上昇してそれが大赤字を招いたのは周知のとおり。
アメリカではFA権行使した選手は年俸大幅増となるが、
それは一部の球団であり、ぜいたく税という制度もあるから、
財源不足の球団は惜しげもなくそんな選手を放出し、
それを有力球団が獲得するという流れが浮かび上がる。
よって資金力不足の球団は、
アスレチックスのような「マネー・ボール」という思想を持って、
知恵を振り絞らない限り強豪の座に居られないという現実がある。
選手会もアメリカをモデルとしての要求だったと思うが、
「移籍の活性化」という目的は、
アメリカと違い3Aクラスにごまんと選手が居る、という環境ではないから、
現在のFA制度ではその目的を果たせるはずも無い。
それどころか今の選手が、
FA制度が「移籍の活性化」という理念で作られたという事実を理解しているのか。
FAが出来た初期の頃、
巨人の先発3本柱の一角・槙原寛己がFA宣言。
長嶋の「17本のバラ」で残留したというエピソードがあるが、
これ故年俸は一気に生え抜きトップとなった。
斎藤・桑田に比べ芳しくない成績だったので、
このアップには疑問が残る結果となってしまった。
まあ翌年完全試合達成などでアピールしたのが彼の凄い所でもあるのだが…
初期の中心選手でさえこれなのだから、当然近年の選手はもっと薄くなる。
近年で印象深いのが、現楽天・山崎武司の中日時代のケースである。
96年にホームラン王に輝いてからというもの、
不安定な成績を続けていた01年までであり、
この時の年俸は1.2億。
ホームラン狙いになると打率が落ちる典型的なスラッガーで、
01年は打率.238まで落ち込んだ。
守備・走塁の上積みはゼロ(それどころかマイナスなのでは…)だから、
大幅減は当たり前であった。
しかしこの年獲得したFA権を盾に、
球団が提示した額を保留するや、横浜への移籍を匂わす言動を繰り返した。
結果3年契約を勝ち取り、年俸はほぼ現状維持。
移籍する意思が本当にあったかどうかは不明だが、金銭欲が露骨になったのは確かだ。
そして牙を失った山崎は02年大不振で、
3年契約にも拘らず1年で放出されたという大恥をかいたのだが、
これでようやく意識が変わったのか、3球団目の楽天では主力打者に成り上がった。
こうした「宣言残留」が年俸交渉の奥義となり、
それに合わせる様に他選手の年俸相場も上がっていく。
当然、パリーグはこういったFA選手を次々と見送るハメとなったのだが、
それとて責められない。
「ベテランを放出し補償金が得られる方がマシ」と考える経営者だって居るほど、
毎年赤字が著しいのだから…
パの赤字が膨れ上がったのは恐らくこの93年が境であろう。
このFA制度の他、渡辺の1リーグ宣言でパのファンは白け、
長嶋の巨人監督復帰で巨人偏重に拍車がかかった。
ONが引退した後、ようやく野球人気がリーグ全体に行き渡りかけたのに、
これでは前時代に戻ってしまっただけではないか。
識者達は「今の選手は昔と違って働ける場を求めるから巨人に行きたがるとは限らない」と言っていたらしいが、
それがいかに浅はかな読みだったかは言わずもなが。
最近では移籍を希望する選手が居ても、
移籍先を見つけられず残留という現象が見られる。
04年オフのヤクルト・真中満が良い例で、
レギュラーを張れずに3年間を過ごしてきたこともあり、移籍前提でFA宣言した。
しかし半レギュラー的立場であるはずの彼の年俸は1億。
当然興味を示した球団でも、年俸を下げなければ獲ってくれるはずは無い。
実際新球団・楽天が食指を伸ばそうとしたが、
条件面で折り合わずに見送られたという。
そして結局残留である。
この行動でヤクルトフロントの怒りを買ったのか、
FA宣言したにも拘らず年俸25%カットという屈辱を受けた真中。
まあ自業自得といった所だが、
やはり保障というものを考えてか、思い切った行動を取れないのが近年の選手の性なのか。
これも年俸相場が崩れている故に起こることなはず。
と大まかに近年のFAを取り巻く実情を書いてみたが、
次回は選手会側の考えを下に語っていこう。
星野が教育しても直らない可能性大だな…
- 2006.11.24 Friday
- レス
- 23:24
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- by ベースボールマニア
>妃垣俊吾さん
初めまして、そう仰って頂き有り難い限りであります。
地域密着には地元選手よりもファンの力が大きいと思います。日ハムしかり。
近年は中田をはじめ越境入学が流行っているようで(田中将大もそうだった)、「地元だから」という思想はますますちっぽけな物となりつつありますね。岡田はそんな時代の流れにすら気付いてないみたいでもう何と言うか…
>トマトさん
初めまして、いつもこのヘッポコブログを読んで頂き有難うございます。
>大阪桐蔭OB
しかも名が挙がった阪神の2人はいずれも卒業即プロ入りとはいってませんからね。密着度では明らかに2球団より下…
岡田って最後はオリックスで終えたんですよね?当初4番が居なかったにも拘らずレギュラー獲れずじまいだったのがいかにも岡田らしかったですね(どうでもいい)
初めまして、そう仰って頂き有り難い限りであります。
地域密着には地元選手よりもファンの力が大きいと思います。日ハムしかり。
近年は中田をはじめ越境入学が流行っているようで(田中将大もそうだった)、「地元だから」という思想はますますちっぽけな物となりつつありますね。岡田はそんな時代の流れにすら気付いてないみたいでもう何と言うか…
>トマトさん
初めまして、いつもこの
>大阪桐蔭OB
しかも名が挙がった阪神の2人はいずれも卒業即プロ入りとはいってませんからね。密着度では明らかに2球団より下…
岡田って最後はオリックスで終えたんですよね?当初4番が居なかったにも拘らずレギュラー獲れずじまいだったのがいかにも岡田らしかったですね(どうでもいい)
攻撃よりも防御だろ 〜監督の在り方
- 2006.11.24 Friday
- コラム系
- 23:21
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- by ベースボールマニア
何があったんだと思いたくなったのが、
巨人の監督に復帰した原辰徳である。
前の時は辞め方が辞め方だっただけに、
低迷する巨人再建の切り札として注目を集めたのだが、
この時点で原は「何が何でも優勝しなければならない」と思い込んでいた節がある。
前回の監督時の優勝(2002年)で、
「適材適所に人材を配する監督」というイメージが付いていたのだが、
早速「使える投手が欲しい」とフロントに要望を出し、
ドラフトやFA・外国人市場で大型補強を実現させた。
当然前回の辞めさせ方故、
原に対して弱腰になっているフロントが要望を聞き入れたから起こった事なのだが、
復帰とはいえ、就任1年目なのにチーム事情を完璧に解っているかのような要望を出した新生・原に不安を覚えずにはいられなかった。
読売系の解説者という、外野かどうか微妙な立場から2年間チームを見ていた原だが、
ただチーム防御率の悪さという成績だけに着目し、
高齢化・弱体化が進む野手のレギュラー陣や、
前任の堀内恒夫が若手投手を育てようと悪戦苦闘していた姿は見ていなかったのだろうか。
話をフロント側に移すと、
低迷したチームを立て直すには長期的視野が必要なのだが、今季の巨人やヤクルト然り、
近年はどうしても近似的な補強に躍起になり、
「新監督にじっくり現場を託し、それをサポートする」という気概が見えて来ないのが残念である。
戦力を補強したから後は好きにやってくれ、但し結果を出せなかったら解雇だ。
こんなフロントの声が聞こえてきそうであり怖い。
これでは黄金時代など夢のまた夢。
さて今季の巨人でもう一つ不安だったのがコーチ陣。
前回の原辞任の際に総辞職したからだろうが、この度もご丁寧に総換えである。
しかも近藤昭仁や西岡良洋といった人物の加入で、
原自身どこか精神・根性論といった古典的思想に汚されてはいなかったか。
オープン戦で打ち込まれた久保裕也に対して、
背面に蹴りを入れて「ケツをナデナデしただけ。」なんて発言した原しかり、
サヨナラの打球を追わなかった亀井義行に対して、
試合後ベンチで叱責の度を越えた暴力を犯しそうになった西岡しかり。
ヘッドコーチの近藤に至っては、
小関竜也がベースを踏み忘れた事件に対して、
「踏まなかった小関が悪い」という空気の読めない台詞を吐いた。
選手の技術が向上し、指導法も進化が求められるなか、
巨人は異様に退化しているという事を実感したこれらの事象。
自称盟主のプライドがそうさせているのだと思うが、
「巨人は勝たなければならない」という気持ちが完全に空回りしているのだから、
情熱は必ずしもプラス方向に向かないいい例である。
久保を蹴り飛ばすことが、
「次からは蹴られないように頑張れ」という意識を植え付けるという意図だとしたら、
それこそ選手とのコミュニケーションが全く取れていないのではないかと疑いたくもなり、
悲しい事である。
どうして「打たれたらまた蹴られる」という選手の不安を増幅させる可能性もある行為を採ってしまったのだろう。
後半戦負けが込んだときも、
「他人には解らないと思うけど俺は悔しいんだよ」
「アー、チックショー!(この後壁を蹴り飛ばす)」
なんて感情を露にした原のコメントが発表されていたから、
指揮官に大事な「我慢」の思想が全く無い。
「選手を外圧から守る」立場であるはずの首脳陣が、
いつのまにか自分自身で選手に圧力を掛けてしまっている。
これではチームが不調に陥った際、
何処をどうしていいのか解らなくなるのも頷ける。
3年間で2度優勝している中日は、
一昨年も今年のペナントも不調な時期があったものの、
的確な配慮で沈み込みを最小限に留めて栄冠を勝ち取った。
やはり「攻撃」よりも「防御」が大事という事を、
「投手」「守備」の強化とともに落合は心得ていたのだろう。
原巨人の話はこれぐらいにして、
他の攻撃、とりわけ「口撃」に関しては人一倍なのが阪神・岡田彰布監督である。
といってもその内容は、殆どが的外れなのだが…
04年開幕前に、
「巨人は大した事無い。マークするのは中日」と言ったり、
「昨季は横浜戦に大幅勝ち越ししたけどどの試合も紙一重だった。今季は一層気を引き締めなければアカン」と言っているように、
一見ピンポイントにチームのための発言をしているのだが、肝心の結果が伴わない。
ここで阪神というチームを軽くプレーバックしてみると、
01年まで迷走を続けていたお荷物チームだったのだが、
星野仙一が監督に就任してからというもの、
大型補強を敢行しチームの意識改革が図られ、
03年に優勝して強豪チームに生まれ変わった。
そして04年の野手の主力を見ると、
星野監督時代に形成された遺産がそのまま受け継がれたのが一目瞭然なのだが、
この素材を岡田は上手く使いこなせず転落したという印象が強い。
大きな故障はキンケードと片岡以外は無かったはずで、
しかも鳥谷・関本とプラスアルファの人材が出てきたにも拘らずである。
打線が繋がらない試合が多くなると、
岡田はかなり打順を弄って対処しようとしたのだが、
その内容自体が到底理解できないものだった。
核弾頭である赤星を9番に据えた試合もあった。
その試合は7番アリアス・8番投手だったのだが、
おかげでチャンスでアリアスが敬遠され、一層繋がらなくなった。
その赤星が不調(とはいっても2割6分ぐらいだったはずで前年とのギャップがそんなに気に入らなかったのだろうか)に陥れば、
彼を外して3番に立川(この年途中にロッテからトレード)を入れたりもしていた。
その度に今岡や藤本の打順が動き、選手は色を失っていった。
「ホームランを打てる奴はどんどん打ったらええ」と就任直後に岡田は言っており、
確かに金本・今岡ら主力のホームランは増えたものの、
繋がりという面でかなり遅れをとってしまい、優勝争いに絡めなかった。
自身クリーンアップで85年の優勝メンバーだったから、
ホームラン攻勢の快感は忘れがたいものだったのだろう。
それが赤星の扱いのように防御のことを全く考えず突き進んでいく要因となるのだから、
手詰まりになるのは容易に想像できた。
投手陣も、前年の勝利の方程式である安藤・ウィリアムスに対し、
順番をその日その日によって入れ替えた継投も犯していた。
ウィリアムスなんかは左へのワンポイントで起用されることもしばしばだった。
この年で反省したのか、
昨年はオーダー・勝利の方程式を固定させて優勝をもぎ取ったのは評価できる。
しかし監督の手腕というよりも、
選手が120%の力を発揮したから優勝できたと思われたのは何とも皮肉である。
実際日本シリーズでは選手達の力を過信したのか、
ロッテに合わせるように予告先発制を採用してしまい惨敗。
そして今季なのだが、
ベテランばかりの野手陣・投げ過ぎの救援陣故とても優勝できるとは思えなかった。
そんな事を岡田自身も考えていたのではないか、と思わされたのが、
他球団への執拗な口撃である。
新体制の広島・ヤクルトに対して、
「すぐに代えるな。(開幕投手の黒田も)抑えてても六回で代えとったな。中継ぎ投手も大変。横山とか永川なんかはしんどいで。勝ってたらええけど、負けがこんできたらなあ」
「(兼任監督という)言葉はすごいけど、いくつでやるんや。40歳からプレイングマネジャーって誰がおるんや」
とか。
楽天・野村監督に対しては、
「その時期は一軍半クラスの選手を使うけど、楽天がベストメンバーで来ても勝てるよ。ウチはそのクラスもレベル高いからな。」
なんて語っておいて、実際楽天と対戦してみれば、
必死で戦った挙句勝率5割で終わったのだから恥もいいところ。
代表格として最初に取り上げたのが、
ソフトバンクに対する「しょうもないチームや、チェッ」であるのだが、
(サンスポソースは既に切れているのでこちらより拝借)
相手のピッチングにまでとやかく言う権利は何処にも無い。
「歩かしやんか」と決め付けるその神経がどうかしており、
その後の報復宣言に至ってはもう何というか、清原と同レベルというか…
この「口撃」癖で防御が疎かになるのが岡田の悪い所で、
身内選手の罵倒に至ってはそれこそ数え切れないぐらいある。
それで面白おかしくマスゴミが取り上げ、
槍玉に上がった選手がクソミソに叩かれるのだから…
パリーグを中心に、
現在の監督は外国人招聘の風潮が流行りつつあるのだが、
それとて日本人の監督が情けないのに起因していると言われれば返す言葉が無い。
もちろん名監督候補を惜しげもなく辞めさせるフロントの責任もある。
原なんかはそれが原因で指揮官失格の道を歩むハメとなっているのだが、
それについては後ほど述べよう。
巨人の監督に復帰した原辰徳である。
前の時は辞め方が辞め方だっただけに、
低迷する巨人再建の切り札として注目を集めたのだが、
この時点で原は「何が何でも優勝しなければならない」と思い込んでいた節がある。
前回の監督時の優勝(2002年)で、
「適材適所に人材を配する監督」というイメージが付いていたのだが、
早速「使える投手が欲しい」とフロントに要望を出し、
ドラフトやFA・外国人市場で大型補強を実現させた。
当然前回の辞めさせ方故、
原に対して弱腰になっているフロントが要望を聞き入れたから起こった事なのだが、
復帰とはいえ、就任1年目なのにチーム事情を完璧に解っているかのような要望を出した新生・原に不安を覚えずにはいられなかった。
読売系の解説者という、外野かどうか微妙な立場から2年間チームを見ていた原だが、
ただチーム防御率の悪さという成績だけに着目し、
高齢化・弱体化が進む野手のレギュラー陣や、
前任の堀内恒夫が若手投手を育てようと悪戦苦闘していた姿は見ていなかったのだろうか。
話をフロント側に移すと、
低迷したチームを立て直すには長期的視野が必要なのだが、今季の巨人やヤクルト然り、
近年はどうしても近似的な補強に躍起になり、
「新監督にじっくり現場を託し、それをサポートする」という気概が見えて来ないのが残念である。
戦力を補強したから後は好きにやってくれ、但し結果を出せなかったら解雇だ。
こんなフロントの声が聞こえてきそうであり怖い。
これでは黄金時代など夢のまた夢。
さて今季の巨人でもう一つ不安だったのがコーチ陣。
前回の原辞任の際に総辞職したからだろうが、この度もご丁寧に総換えである。
しかも近藤昭仁や西岡良洋といった人物の加入で、
原自身どこか精神・根性論といった古典的思想に汚されてはいなかったか。
オープン戦で打ち込まれた久保裕也に対して、
背面に蹴りを入れて「ケツをナデナデしただけ。」なんて発言した原しかり、
サヨナラの打球を追わなかった亀井義行に対して、
試合後ベンチで叱責の度を越えた暴力を犯しそうになった西岡しかり。
ヘッドコーチの近藤に至っては、
小関竜也がベースを踏み忘れた事件に対して、
「踏まなかった小関が悪い」という空気の読めない台詞を吐いた。
選手の技術が向上し、指導法も進化が求められるなか、
巨人は異様に退化しているという事を実感したこれらの事象。
自称盟主のプライドがそうさせているのだと思うが、
「巨人は勝たなければならない」という気持ちが完全に空回りしているのだから、
情熱は必ずしもプラス方向に向かないいい例である。
久保を蹴り飛ばすことが、
「次からは蹴られないように頑張れ」という意識を植え付けるという意図だとしたら、
それこそ選手とのコミュニケーションが全く取れていないのではないかと疑いたくもなり、
悲しい事である。
どうして「打たれたらまた蹴られる」という選手の不安を増幅させる可能性もある行為を採ってしまったのだろう。
後半戦負けが込んだときも、
「他人には解らないと思うけど俺は悔しいんだよ」
「アー、チックショー!(この後壁を蹴り飛ばす)」
なんて感情を露にした原のコメントが発表されていたから、
指揮官に大事な「我慢」の思想が全く無い。
「選手を外圧から守る」立場であるはずの首脳陣が、
いつのまにか自分自身で選手に圧力を掛けてしまっている。
これではチームが不調に陥った際、
何処をどうしていいのか解らなくなるのも頷ける。
3年間で2度優勝している中日は、
一昨年も今年のペナントも不調な時期があったものの、
的確な配慮で沈み込みを最小限に留めて栄冠を勝ち取った。
やはり「攻撃」よりも「防御」が大事という事を、
「投手」「守備」の強化とともに落合は心得ていたのだろう。
原巨人の話はこれぐらいにして、
他の攻撃、とりわけ「口撃」に関しては人一倍なのが阪神・岡田彰布監督である。
といってもその内容は、殆どが的外れなのだが…
04年開幕前に、
「巨人は大した事無い。マークするのは中日」と言ったり、
「昨季は横浜戦に大幅勝ち越ししたけどどの試合も紙一重だった。今季は一層気を引き締めなければアカン」と言っているように、
一見ピンポイントにチームのための発言をしているのだが、肝心の結果が伴わない。
ここで阪神というチームを軽くプレーバックしてみると、
01年まで迷走を続けていたお荷物チームだったのだが、
星野仙一が監督に就任してからというもの、
大型補強を敢行しチームの意識改革が図られ、
03年に優勝して強豪チームに生まれ変わった。
そして04年の野手の主力を見ると、
星野監督時代に形成された遺産がそのまま受け継がれたのが一目瞭然なのだが、
この素材を岡田は上手く使いこなせず転落したという印象が強い。
大きな故障はキンケードと片岡以外は無かったはずで、
しかも鳥谷・関本とプラスアルファの人材が出てきたにも拘らずである。
打線が繋がらない試合が多くなると、
岡田はかなり打順を弄って対処しようとしたのだが、
その内容自体が到底理解できないものだった。
核弾頭である赤星を9番に据えた試合もあった。
その試合は7番アリアス・8番投手だったのだが、
おかげでチャンスでアリアスが敬遠され、一層繋がらなくなった。
その赤星が不調(とはいっても2割6分ぐらいだったはずで前年とのギャップがそんなに気に入らなかったのだろうか)に陥れば、
彼を外して3番に立川(この年途中にロッテからトレード)を入れたりもしていた。
その度に今岡や藤本の打順が動き、選手は色を失っていった。
「ホームランを打てる奴はどんどん打ったらええ」と就任直後に岡田は言っており、
確かに金本・今岡ら主力のホームランは増えたものの、
繋がりという面でかなり遅れをとってしまい、優勝争いに絡めなかった。
自身クリーンアップで85年の優勝メンバーだったから、
ホームラン攻勢の快感は忘れがたいものだったのだろう。
それが赤星の扱いのように防御のことを全く考えず突き進んでいく要因となるのだから、
手詰まりになるのは容易に想像できた。
投手陣も、前年の勝利の方程式である安藤・ウィリアムスに対し、
順番をその日その日によって入れ替えた継投も犯していた。
ウィリアムスなんかは左へのワンポイントで起用されることもしばしばだった。
この年で反省したのか、
昨年はオーダー・勝利の方程式を固定させて優勝をもぎ取ったのは評価できる。
しかし監督の手腕というよりも、
選手が120%の力を発揮したから優勝できたと思われたのは何とも皮肉である。
実際日本シリーズでは選手達の力を過信したのか、
ロッテに合わせるように予告先発制を採用してしまい惨敗。
そして今季なのだが、
ベテランばかりの野手陣・投げ過ぎの救援陣故とても優勝できるとは思えなかった。
そんな事を岡田自身も考えていたのではないか、と思わされたのが、
他球団への執拗な口撃である。
新体制の広島・ヤクルトに対して、
「すぐに代えるな。(開幕投手の黒田も)抑えてても六回で代えとったな。中継ぎ投手も大変。横山とか永川なんかはしんどいで。勝ってたらええけど、負けがこんできたらなあ」
「(兼任監督という)言葉はすごいけど、いくつでやるんや。40歳からプレイングマネジャーって誰がおるんや」
とか。
楽天・野村監督に対しては、
「その時期は一軍半クラスの選手を使うけど、楽天がベストメンバーで来ても勝てるよ。ウチはそのクラスもレベル高いからな。」
なんて語っておいて、実際楽天と対戦してみれば、
必死で戦った挙句勝率5割で終わったのだから恥もいいところ。
代表格として最初に取り上げたのが、
ソフトバンクに対する「しょうもないチームや、チェッ」であるのだが、
(サンスポソースは既に切れているのでこちらより拝借)
相手のピッチングにまでとやかく言う権利は何処にも無い。
「歩かしやんか」と決め付けるその神経がどうかしており、
その後の報復宣言に至ってはもう何というか、清原と同レベルというか…
この「口撃」癖で防御が疎かになるのが岡田の悪い所で、
身内選手の罵倒に至ってはそれこそ数え切れないぐらいある。
それで面白おかしくマスゴミが取り上げ、
槍玉に上がった選手がクソミソに叩かれるのだから…
パリーグを中心に、
現在の監督は外国人招聘の風潮が流行りつつあるのだが、
それとて日本人の監督が情けないのに起因していると言われれば返す言葉が無い。
もちろん名監督候補を惜しげもなく辞めさせるフロントの責任もある。
原なんかはそれが原因で指揮官失格の道を歩むハメとなっているのだが、
それについては後ほど述べよう。
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