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2006年ドラフト分析・3 〜バッテリーを求めて

<東京ヤクルトスワローズ>
指名選手:増渕竜義(投)上田剛史(外)山田弘喜(投)高市俊(投)西崎聡(投)衣川篤史(捕)


増渕を獲得することに成功し一安心と言いたい所だが、今季もバッテリー重視の指名に終始していて物足りない。岩村のメジャー移籍、ラロッカの退団で新旧交代が進むと思ったら再び外国人野手3人制を、しかも宮出をサードコンバートさせてまで採るというのだから…

問題山積みの野手陣だが、外野の上田は走攻守揃った好素材。スラッガータイプが不足しているチーム事情だが、大砲は外国人頼みという方針がハッキリしているここ数年。よってスラッガーでもある程度の野球偏差値が求められるのがヤクルトの日本人選手の宿命である。畠山ユウイチが苦労していたり、ルーキー武内が今年開幕一軍も抹消されると二度と這い上がれなかったという出来事はその象徴。上田は打撃も確かに大事だが、走守もバランスよく伸ばしていかないといつまで経っても起用してもらえない。近い年代が居ないので来年以降のドラフトでライバルが増えるだろうが、是非勝ち抜いて日本人選手のスケールを上げてもらいたい。
衣川は26歳で1年目を迎えるが、フロントの狙いは1歳下の米野との競り合いだろう。古田の衰えもあり04年から毎年1人ずつ捕手を獲っているが、川本は大学時代のプレーが戻らず苦闘しており水野は高卒故まだ時間がかかる。捕手というポジションは跳び抜けた選手を獲得しない限り本当に未来予想図が描きづらいが、そんな選手がいつも居るとは限らないので、自身名捕手だった古田兼任監督には辛抱強く彼らの成長を見届けて貰いたい。

00年以降毎年即戦力投手を上位で獲るのがヤクルトのトレンド。ようやく野手指名が投手指名を上回ったのが昨年である。
今回の希望枠は高市。球威よりも相手のタイミングを外す事に執着を燃やす技巧派であり、過去にも前例は中々居ないタイプだ。だが多少タイミングを外されても力で持っていける打者がプロに多いので、その時に対処法を考えないと1年目は滅多打ちを喰らう危険が高い。それに今秋のシーズンで、ついに東都大リーグの各打者にタイミングを合わされつつあったのか不振に終わったのも気掛かりだ。JR北海道から二年連続の指名となった西崎(昨年は日ハム・星野)。サイドスローという中継ぎにはもってこいのタイプだが、星野と同じような左足が後ろに入りすぎるフォームなのが不安点。星野は一軍登板無しに終わっていることだし…

増渕も前例が中々見当たらない特殊なフォームをしている。スリークォーターの腕の振りで、体重が乗っているのか乗って無いんだか解らない体の運びでボールを放る。当然この癖のあるフォームにどう対処するのかが首脳陣の鍵であるが、1年目はとりあえず放任してファームで経験を積ませ、問題が見つかったら本格的に修正するのは2年目以降か。
山田弘は「指名されなかったら野球辞めてもよい」等と語っていた変り種。強烈な回転を誇る140キロ台のストレートもそうだが、最大の長所はしっかりとしたフォームで球持ちが長く、このストレートを低めに集められる下地が出来ている事。2,3年後が非常に楽しみな素材である。フォームの良悪について五月蝿く言っている感があるが、手本にしたいぐらいフォームが綺麗な左腕投手、丸山貴・村中が1年目からはや1軍デビューを果たしているように良い投手は抜擢時期が早い。特に目を奪うようなストレートのない投手はその事を肝に銘じるべきであろう。



<福岡ソフトバンクホークス>
指名選手:福田秀平(内)伊奈龍哉(内)李秉諺(内)大隣憲司(投)高谷裕亮(捕)森福允彦(投)長谷川勇也(外)川頭秀人(投)


単独指名確実だと思い込んでいただけに大嶺の交渉権をロッテに奪われたのは相当のダメージだったと推測する。慌ててロッテから福田を「強奪」したのは良いが、大嶺ショックで周りが見えなくなっていたのか高校生ドラフトはよりによって内野3人という歪な結果に終わってしまった。
確かに今季の内野は川崎・ズレータ以外帯に短くタスキに長い集団と化していたから強化ポイントだったが、まだ答えが出ていない20歳代前半に江川仲澤・松田・本多・金子が居るのだから過剰な数は必要無かったはずである。それでいて小久保がFAで移籍してきたのだから、今季多数起用された若手の出番は来年無いと思うと…
まあその反面、外野手に多数戦力外選手が出たので外野コンバートという道は開きやすくなったが。

高校生の3人は、僕も伊奈以外ノーマークだったから意外な感が今でも残る。その伊奈は一塁手のスラッガーであり、2年前に獲った定岡が大外れもいい所だったから獲得したのだろう。やはり縁故採用は良い結果を生まない。定岡が悪癖のオンパレードだったのに対し、伊奈の打撃にはテークバックを取りすぎる事以外目立った癖はない。
福田・李はともにショートが本職らしい。川崎がデンと構えているポジションだけに難しそうだ。強打を生かしてのコンバートはむしろ彼らに必要かもしれない。

一方の大・社ドラフト。狙い通り希望枠で大学球界ナンバー1左腕・大隣を獲得した。今季はやや不調でバランスを失っていたが、本来の力が戻っていれば文句無くローテーション入りである。
大卒ながら社会人退社→一浪という経歴を経ている高谷、来季で26歳である。当然弱体化した捕手強化のための人材で地肩の強さに特徴。リードは巧だがこれといった身体的特徴が無い山崎との争いは見物である。
投手の2人は、森福が即戦力を期待されての左腕投手。技巧派であるが社会人での球速アップが評価され高卒2年目ながら指名に漕ぎ着けた(シダックス廃部のための特例措置)。森福が実力を開花させてのプロ入りなら、川頭は地元・九州からの大化け狙いの指名で根っからのパワーピッチャー。

誰も居なかった21歳・23歳の台にそれぞれ森福・大隣をはめ込み、年齢構成的にも穴が見当たらなくなった投手陣。それだけに19歳・大嶺の取り逃しは痛かった。



<阪神タイガース>
指名選手:野原将志(内)橋本良平(捕)横山龍之介(投)小嶋達也(投)上園啓史(投)清水誉(捕)大城祐二(外)


巨人同様に年齢構成が歪なチーム。比較的安定している投手陣からも井川が抜けてしまい、リーダー格の投手が誰になるかが来シーズンの課題。彼と同世代の投手は沢山揃っているが、先発で安定した実績あるのは下柳39歳、福原31歳、安藤30歳と30代ばかりなのが不安で、もし投手の育成に手間取り、野手のベテランの衰えと噛み合ってしまったら恐ろしいことに…

大学・社会人投手は未完のパワーピッチャーを獲りたがるのが阪神の特徴。昨ドラフトも3人の即戦力組(岩田・金村・渡辺)を獲りながら1人も即戦力といかなかった事が象徴的である。
今回の希望枠は小嶋。球団側は3年前から目を付けており「確約」ともいえる指名で、やはりパワーピッチャーながら不運な故障もあり経験不足な左腕である。しかしフォーム的には昨年の3人と比べて欠点が無く、意外と早いデビューがあるかもしれない。上園も140キロ代後半のストレートが武器の右腕。それなのに大学時代は空振りを取るのに一苦労していた様子で、ストレートも変化球もキレを上げる事が第一条件である。

39歳になる矢野が未だに正捕手という事で、捕手の強化がメインテーマとなった今ドラフト。高卒、大・社ともに一人ずつ今季アマチュア界のトップクラスを獲った。しかし2人が加わったことでこれで捕手の総数が9人となった。普通なら7〜8人要れば十分なはずで、どうも計画性が無いと思わせられる数字である。過去にも浅井・岡崎と逆指名でも2人獲っておりスケール的にも文句無いと思うのだが、そこら辺はやはり巨人と同じで数が居ないと安心できないのだろう。それとも誰かをコンバートさせる腹積もりなのだろうか。
日米親善野球で4番を務めた橋本。強肩強打でスケール大きく成長する期待大である。一軍半レベルの捕手は岡崎が打のスケールアップを図るのに一苦労しており、浅井・狩野は球筋が安定しないスローイングが不安要素。付け入る隙は十分ありそうだ。清水はディフェンス面が飛び抜けた岡崎タイプで、遠投100メートルながら二塁送球1.8秒台と洗練されたスローイングが最大の長所。

若手の選手層が薄い内野。大型内野手・堂上を狙いにいったが抽選で敗れ、指名したのが野原。身体能力は申し分無し。打撃面は、下級生の頃はドアスイングの悪癖が目立っていたが現在は大分良化。だが上のレベルで戦うには不安を完全に無くさないと難しいかもしれない。

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