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  • 2007.04.08 Sunday
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2006ドラフト分析・4 〜希望枠での野手獲得という度胸

<西武ライオンズ>
指名選手:木村文和(投)朱大衛(投)岸孝之(投)山本淳(投)原拓也(内)岩崎哲也(投)大崎雄太朗(外)

大エース・松坂大が渡米し、一にも二にもエース候補の獲得が課題となった今回。それ以前にも投手王国崩壊と騒がれていたからか、この2年で野手と投手のバランスが崩れているのが気掛かりな点である。他チームで言うならば広島と同じ状況。野手の世代交代が上手く行っているから投手偏重でいっても大丈夫、そんな気持ちが両チームに生まれているのだろうが、その一瞬の気の緩みが将来のチーム崩壊に繋がるのである。特にFA制度で選手流出も考えられる近年なら尚更である。

巨人・楽天との争奪戦に競り勝ち希望枠を取り付ける事に成功したのがである。鞭のようなヒジから放たれる快速球が最大の長所で、今年の日米大学野球ではアメリカの打者を完璧に近い形で封じ込めた。当然、首脳陣の期待はローテーションの穴埋めである。少々の穴があってもそれを補って余りあるスケールを持っており、すぐに起用して欲しいと願っている。
山本淳に負けず劣らずの素質を持っており、ストレートの最速は150キロを超える。しかしクレバーさに欠け実績も無いので素材重視の指名。24歳という年齢を考えるとそれでは困るのだが…。昨ドラフトも投手偏重の割に即戦力の指名が不足しており是が非でもすぐに使える投手が欲しいのだが、そこで名が挙がるのが岩崎である。山本淳と同年齢だがサイドスローから放たれるスライダーのレベルはかなりのものがあり、ショートリリーフとしてすぐに抜擢できるタイプ。頼れるリリーフ投手が不足している西武にピタリはまるだろう。

一方高卒の投手2人はかなりの時間を要するはずである。木村は踏み出しの歩幅が狭く上体主導のピッチングを強いられるのが欠点。それでもボールを長く持てるのは身体能力が素晴らしい証拠で育て甲斐のある右腕だが、一にも二にも指導者次第。木村の上をいく未完の大器の選手であり首脳陣は大変そうである。パワーピッチャーにありがちな左肩上がりのコントロールが安定しづらいフォーム。変化球も高卒にしては多い4〜5種類が持ち球だが決め手に欠けるようである。

昨年は捕手2人を獲りそのうち1人は正捕手がほぼ確約されている炭谷。そして今回の2人の野手は大学生の内野と外野1人ずつ。片岡・中村・栗山の24歳ラインのすぐ下の世代から固めていこう、という魂胆が見える。
は三拍子揃った遊撃手。守備は堅実さより強肩・広範が目立ち、打撃も今季からパワー型へモデルチェンジし存在感ある選手に。外野の大崎も積極打法と俊足・強肩に持ち味があるスケール大きな選手であり、西武特有の若手野手が育つ土壌が何となく理解できる両者の指名だった。



<中日ドラゴンズ>
指名選手:堂上直倫(内)福田永将(捕)田中大輔(捕)浅尾拓也(投)菊地正法(投)岩崎達郎(内)清水昭信(投)西川明(内)


希望枠行使を表明したのは11にも昇る(実際に行使したのは10)が、各球団が獲得に向かっていったのはいずれも投手。何となく物足りないなと感じていたら、ただ1球団中日だけが果敢に野手の獲得に踏み切った。正捕手・谷繁の後継者候補が不足しているから東都大リーグで一・二を争う素材の田中の指名は当然すぎるほど当然なのだが、この勇気は他球団には真似出来ない。
例えば今ドラフトでは、捕手の強化を第一に掲げていたオリックスは田中と同じ東都大リーグの指名を予定していたが、ウェーバー順でが楽天に指名されると踏んでも代替要員を指名することが出来なかった。最初から希望枠をに向けていれば確実に補強出来たのに、定番の即戦力投手補強という「勇気の無さ」故それが出来なかった。まず方針を固めるのは良い事だが、その方針を守り通すというのはもっと重要な筈である。

さて中日の指名選手を見ていこう。落合監督就任後即戦力重視のドラフトに変わって行った、というのは以前にも書いたが、投手:野手のバランスは意外にもしっかり取れている3年間。今回も投手3人に対して野手は5人である。
その中で最も熱を上げていたのが堂上直に対してであっただろう。高卒野手では今回一番の評価であり、巨人・阪神との競合を勝ち抜いての獲得であった。その実力については一切文句無い。守備面でも強肩に加え、本人が「守備は楽しい」と語っている。これだけスケールがあれば井端の後釜として育成しても面白いだろう。
希望枠・田中も激戦区・戦国東都で培われた捕手としての才能を発揮出来れば問題ない。戦友のが頭脳派ならば田中はスケール型。今の中日には「谷繁の控えなら務まるが…」という選手ばかりなので、現時点でも後継者のNo1だと思う。

一方の投手はいずれも大・社ドラフトでの指名。若手という枠組みには期待がかかる中里が居るが、チェンの育成枠へのシフトもあり23歳以下が不足している陣容。そこに当てはめたのが浅尾・菊地という2人。
浅尾はここに来て急激に成長したスピードピッチャー。変化球もカットボール・パームという特殊球を操る技術があり投球テンポも良い。菊地は対照的な軟投派で左腕。今季は左投手の制球力不足に泣かされた中日、ヒット指名となる事は確実である。

昨年は外野手を補強し今年は捕手と内野手を、というテーマがハッキリした今ドラフト。岩崎は職人タイプで、西川は打撃力に優れている。



<北海道日本ハムファイターズ>
指名選手:吉川光夫(投)植村祐介(投)ダース・ローマシュ・匡(投)宮本賢(投)糸数敬作(投)長野久義(外:入団拒否)山本一徳(投)金子洋平(外)今浪隆博(内)


手薄となった外野の補強策として強行指名した長野が入団拒否。確かに痛いが仕方が無い。
外国人も全選手入れ替えが濃厚なだけに投手・野手とも全体の底上げが望まれるチーム状況。それには様々なタイプの選手をドラフトで揃える事が第一条件なのだが、長野強行指名以外は欲の無い指名という印象が強かった。

希望枠では早稲田大・宮本を獲得、これは良い。だが彼と同じ左腕・早稲田大という共通点を持つ山本も指名しているのには合点がいかない。前年に八木・武田勝という2人の左腕投手を指名、2人とも競争意識の下戦力になる事が出来たからその方法を再び採ろうとしているのだろう。しかし出身まで同じという必要が何処にあるのか。日ハムはよくこうしたパイプを作りたがる。例えば昨年は希望枠で創価大・八木を指名できたから、下位指名でも同じ所から高口を獲っとくか、という具合である。他、国士館大の選手・コーチも多い。パイプの弊害はここで語るまでも無い。
トーマス・岡島が抜けて左腕強化が望まれていたのは判るが、タイプ的にはトーマスに追随するぐらいのパワーピッチャーが欲しかった。宮本山本もストレート主体だがキレ命なタイプでスピードが足りない。
もう一人の即戦力投手・糸数は秋季リーグの優勝(東都大リーグ)の原動力となり今が旬。カーブを軸にした多彩な変化球と140キロ後半のストレートはスケール大きな先発投手に成り上がる可能性を秘めている。

田中の外れ1巡目で指名したのは吉川。ストレートも結構早いが、やはり球のキレと遅球とのコンビネーションで攻める日ハム好みの左腕。若手の右投手に本格派が少ない事情から、下位ではパワーピッチャー2人を指名。とりあえず投手には抜かりが無い。

長野入団拒否があり、唯一の外野手指名となった金子洋は完全なるスラッガータイプ。来季以降クリーンアップで一苦労しそうなだけにヒットする可能性はあるが、社会人出身のスラッガーは成功率が低いのがこれまでの球界事情。近年は木製バットに変更した事もありプロの水に慣れず無残な失敗、という危険は弱まっているが果たして。

2006年ドラフト分析・3 〜バッテリーを求めて

<東京ヤクルトスワローズ>
指名選手:増渕竜義(投)上田剛史(外)山田弘喜(投)高市俊(投)西崎聡(投)衣川篤史(捕)


増渕を獲得することに成功し一安心と言いたい所だが、今季もバッテリー重視の指名に終始していて物足りない。岩村のメジャー移籍、ラロッカの退団で新旧交代が進むと思ったら再び外国人野手3人制を、しかも宮出をサードコンバートさせてまで採るというのだから…

問題山積みの野手陣だが、外野の上田は走攻守揃った好素材。スラッガータイプが不足しているチーム事情だが、大砲は外国人頼みという方針がハッキリしているここ数年。よってスラッガーでもある程度の野球偏差値が求められるのがヤクルトの日本人選手の宿命である。畠山ユウイチが苦労していたり、ルーキー武内が今年開幕一軍も抹消されると二度と這い上がれなかったという出来事はその象徴。上田は打撃も確かに大事だが、走守もバランスよく伸ばしていかないといつまで経っても起用してもらえない。近い年代が居ないので来年以降のドラフトでライバルが増えるだろうが、是非勝ち抜いて日本人選手のスケールを上げてもらいたい。
衣川は26歳で1年目を迎えるが、フロントの狙いは1歳下の米野との競り合いだろう。古田の衰えもあり04年から毎年1人ずつ捕手を獲っているが、川本は大学時代のプレーが戻らず苦闘しており水野は高卒故まだ時間がかかる。捕手というポジションは跳び抜けた選手を獲得しない限り本当に未来予想図が描きづらいが、そんな選手がいつも居るとは限らないので、自身名捕手だった古田兼任監督には辛抱強く彼らの成長を見届けて貰いたい。

00年以降毎年即戦力投手を上位で獲るのがヤクルトのトレンド。ようやく野手指名が投手指名を上回ったのが昨年である。
今回の希望枠は高市。球威よりも相手のタイミングを外す事に執着を燃やす技巧派であり、過去にも前例は中々居ないタイプだ。だが多少タイミングを外されても力で持っていける打者がプロに多いので、その時に対処法を考えないと1年目は滅多打ちを喰らう危険が高い。それに今秋のシーズンで、ついに東都大リーグの各打者にタイミングを合わされつつあったのか不振に終わったのも気掛かりだ。JR北海道から二年連続の指名となった西崎(昨年は日ハム・星野)。サイドスローという中継ぎにはもってこいのタイプだが、星野と同じような左足が後ろに入りすぎるフォームなのが不安点。星野は一軍登板無しに終わっていることだし…

増渕も前例が中々見当たらない特殊なフォームをしている。スリークォーターの腕の振りで、体重が乗っているのか乗って無いんだか解らない体の運びでボールを放る。当然この癖のあるフォームにどう対処するのかが首脳陣の鍵であるが、1年目はとりあえず放任してファームで経験を積ませ、問題が見つかったら本格的に修正するのは2年目以降か。
山田弘は「指名されなかったら野球辞めてもよい」等と語っていた変り種。強烈な回転を誇る140キロ台のストレートもそうだが、最大の長所はしっかりとしたフォームで球持ちが長く、このストレートを低めに集められる下地が出来ている事。2,3年後が非常に楽しみな素材である。フォームの良悪について五月蝿く言っている感があるが、手本にしたいぐらいフォームが綺麗な左腕投手、丸山貴・村中が1年目からはや1軍デビューを果たしているように良い投手は抜擢時期が早い。特に目を奪うようなストレートのない投手はその事を肝に銘じるべきであろう。



<福岡ソフトバンクホークス>
指名選手:福田秀平(内)伊奈龍哉(内)李秉諺(内)大隣憲司(投)高谷裕亮(捕)森福允彦(投)長谷川勇也(外)川頭秀人(投)


単独指名確実だと思い込んでいただけに大嶺の交渉権をロッテに奪われたのは相当のダメージだったと推測する。慌ててロッテから福田を「強奪」したのは良いが、大嶺ショックで周りが見えなくなっていたのか高校生ドラフトはよりによって内野3人という歪な結果に終わってしまった。
確かに今季の内野は川崎・ズレータ以外帯に短くタスキに長い集団と化していたから強化ポイントだったが、まだ答えが出ていない20歳代前半に江川仲澤・松田・本多・金子が居るのだから過剰な数は必要無かったはずである。それでいて小久保がFAで移籍してきたのだから、今季多数起用された若手の出番は来年無いと思うと…
まあその反面、外野手に多数戦力外選手が出たので外野コンバートという道は開きやすくなったが。

高校生の3人は、僕も伊奈以外ノーマークだったから意外な感が今でも残る。その伊奈は一塁手のスラッガーであり、2年前に獲った定岡が大外れもいい所だったから獲得したのだろう。やはり縁故採用は良い結果を生まない。定岡が悪癖のオンパレードだったのに対し、伊奈の打撃にはテークバックを取りすぎる事以外目立った癖はない。
福田・李はともにショートが本職らしい。川崎がデンと構えているポジションだけに難しそうだ。強打を生かしてのコンバートはむしろ彼らに必要かもしれない。

一方の大・社ドラフト。狙い通り希望枠で大学球界ナンバー1左腕・大隣を獲得した。今季はやや不調でバランスを失っていたが、本来の力が戻っていれば文句無くローテーション入りである。
大卒ながら社会人退社→一浪という経歴を経ている高谷、来季で26歳である。当然弱体化した捕手強化のための人材で地肩の強さに特徴。リードは巧だがこれといった身体的特徴が無い山崎との争いは見物である。
投手の2人は、森福が即戦力を期待されての左腕投手。技巧派であるが社会人での球速アップが評価され高卒2年目ながら指名に漕ぎ着けた(シダックス廃部のための特例措置)。森福が実力を開花させてのプロ入りなら、川頭は地元・九州からの大化け狙いの指名で根っからのパワーピッチャー。

誰も居なかった21歳・23歳の台にそれぞれ森福・大隣をはめ込み、年齢構成的にも穴が見当たらなくなった投手陣。それだけに19歳・大嶺の取り逃しは痛かった。



<阪神タイガース>
指名選手:野原将志(内)橋本良平(捕)横山龍之介(投)小嶋達也(投)上園啓史(投)清水誉(捕)大城祐二(外)


巨人同様に年齢構成が歪なチーム。比較的安定している投手陣からも井川が抜けてしまい、リーダー格の投手が誰になるかが来シーズンの課題。彼と同世代の投手は沢山揃っているが、先発で安定した実績あるのは下柳39歳、福原31歳、安藤30歳と30代ばかりなのが不安で、もし投手の育成に手間取り、野手のベテランの衰えと噛み合ってしまったら恐ろしいことに…

大学・社会人投手は未完のパワーピッチャーを獲りたがるのが阪神の特徴。昨ドラフトも3人の即戦力組(岩田・金村・渡辺)を獲りながら1人も即戦力といかなかった事が象徴的である。
今回の希望枠は小嶋。球団側は3年前から目を付けており「確約」ともいえる指名で、やはりパワーピッチャーながら不運な故障もあり経験不足な左腕である。しかしフォーム的には昨年の3人と比べて欠点が無く、意外と早いデビューがあるかもしれない。上園も140キロ代後半のストレートが武器の右腕。それなのに大学時代は空振りを取るのに一苦労していた様子で、ストレートも変化球もキレを上げる事が第一条件である。

39歳になる矢野が未だに正捕手という事で、捕手の強化がメインテーマとなった今ドラフト。高卒、大・社ともに一人ずつ今季アマチュア界のトップクラスを獲った。しかし2人が加わったことでこれで捕手の総数が9人となった。普通なら7〜8人要れば十分なはずで、どうも計画性が無いと思わせられる数字である。過去にも浅井・岡崎と逆指名でも2人獲っておりスケール的にも文句無いと思うのだが、そこら辺はやはり巨人と同じで数が居ないと安心できないのだろう。それとも誰かをコンバートさせる腹積もりなのだろうか。
日米親善野球で4番を務めた橋本。強肩強打でスケール大きく成長する期待大である。一軍半レベルの捕手は岡崎が打のスケールアップを図るのに一苦労しており、浅井・狩野は球筋が安定しないスローイングが不安要素。付け入る隙は十分ありそうだ。清水はディフェンス面が飛び抜けた岡崎タイプで、遠投100メートルながら二塁送球1.8秒台と洗練されたスローイングが最大の長所。

若手の選手層が薄い内野。大型内野手・堂上を狙いにいったが抽選で敗れ、指名したのが野原。身体能力は申し分無し。打撃面は、下級生の頃はドアスイングの悪癖が目立っていたが現在は大分良化。だが上のレベルで戦うには不安を完全に無くさないと難しいかもしれない。

2006年ドラフト分析・2 〜指名選手増やしてみました

ロッテは即戦力指名を、
巨人は野手指名を、
オリックスは高校生指名を大幅に増やし、
意識が大分変わりつつある様子である。





<オリックスバファローズ>
指名選手:延江大輔(投)梅村学人(投)仁藤拓馬(投)土井健太(捕)小松聖(投)大引啓次(内)


唯一の高校生4名指名。阪急時代から高校生を軽視していた球団だったので、最初この数字を見た時は信じられなかった。早速彼らの顔ぶれから見てみる。

4人のうち投手は3人指名。前年のドラフトは4人の投手いずれも即戦力組だったから納得できる数字である。
特に左腕が不足気味なので、田中の外れでの延江指名は妥当だろう。「瀬戸内のランディ・ジョンソン」という異名が付いた延江であるが、こういった素材重視の投手育成を大の苦手にしているのがオリックスである。同じ左腕で言うと川口とか島脇とか小川とか山本とか…
梅村仁藤も素材は素晴らしいが、このオリックスの体質が最大の不安要素。高卒選手で目立つ存在が居ないのでチャンスはあるが…
最大の焦点が捕手補強だった今オフ。獲得を目指していたが楽天に指名されたのだが、それに代わる選手を指名できなかったのがいかにもオリックスらしい。ロッテからをトレードで獲得して急場しのぎはしたつもりなのだろうが…。土井であるが、まずは23歳に3人揃っている(筧・横山・長田勝)下の競争に勝たないと何も始まらない。3人ともバッティング重視の趣があるのでアピールするのはディフェンスである。

希望枠で獲得した小松。国際大会経験も豊富な即戦力右腕で完成度もそれなりだが、目玉選手が備えている「突き抜けたもの」が無いのが不安材料。中継ぎか。
他球団が獲得をもろくむ中強引に指名した3巡目・大引。次代の大型ショートとして期待大だが、それなら中途半端な存在の阿部真や高齢化する塩崎・水口を放出するなどして育成する環境を整えたいものだ。使える選手を増やすのが競争主義を煽るということは言うまでも無いが、チームをスケールアップさせてくれる存在には多少の犠牲を払ってでもポジションを空けて迎える、という配慮も競争と同じぐらい必要なのだ。近い将来の森山との新・二遊間コンビを楽しみにしたいものだ。



<読売ジャイアンツ>
指名選手:坂本勇人(内)田中大二郎(内)伊集院峰弘(捕)金刃憲人(投)上野貴久(投)円谷英俊(内)深沢和帆(投)寺内崇幸(内)深町良介(投)


打線の低迷がチーム転落に直結してしまった今シーズン。それ故田中狙いから急に方向転換して堂上を指名したのだが、正直慌てて高校生を獲得してもどうにもなるものではないし、彼らを辛抱して育てる腹積もりも小笠原・谷の獲得で消し飛んでしまった印象さえある。

指名選手は3人とも野手だった高卒ドラフト。外れ1巡目は坂本だったが堂上と大差無くこれは収穫。5年後にはショートの座に就ける好素材なのだが、如何せん今後もFA補強で固められるのではと思うと…
伊集院はキャッチャーとサードの併用で高校時代を過ごしたが、控え組にも中々の名前が並んでいる巨人でキャッチャーとして過ごすのは大変なのでサードが望ましい。
そうしたポジションの選択すらままならない左投の田中は完全なるスラッガータイプ。仮に上手く成長できたとして、外国人との争いに勝てるかどうか。

左腕投手がテーマとなった大・社ドラフト。金刃は同リーグの大隣と覇を競い合った仲で当然即戦力先発タイプだが、そういった適正を省みられず不足している中継ぎ左腕にはめ込まれる可能性は高い。特に競争主義をうたって置きながら早くも原辰徳監督は「門倉は先発ローテに入れる」なんて確約しているから尚更である。
上野・深沢もリリーフとしてはストレートにボリューム感が無いので先発向きだと思うが、金刃ほどの実績も無いのでまずはリリーフだろう。
円谷坂本との競り合いを期待しての指名か。二岡の後釜も予断を許さない状況となりそうだ。5歳違いは派を争うにはいい年齢で、円谷としては来季からベンチ入りを果たし、脇谷とセカンドの座を争うことで来るべき好機に備えたい。同じショートの寺内も同様で、フィールディングに関しては円谷の上を行くとの事である。
守備固め要員となれるか。

野手指名の数が投手指名を上回ったのは02年以来4年ぶり。それでも若手野手が決定的に不足しているから、今後も野手狙いの路線は続いていくだろう。臆病なフロントを安心させるためにも今季入団の新人は早期の一軍定着を果たしたい(特に大・社の2人)。



<千葉ロッテマリーンズ>
指名選手:大嶺祐太(投)佐藤賢治(外)黒滝将人(投)神戸拓光(外)荻野忠寛(投)江口亮輔(投)中郷大樹(投)角中勝也(外)松本幸大(投)


ソフトバンク・横浜を翻弄した今回のドラフト。事前情報をほとんど漏らさないスカウト陣の徹底ぶりを遺憾なく発揮し、入団拒否が懸念された大嶺も無事にモノにできた。
中継ぎ投手と外野手の層の薄さが泣き所だった今年のチーム編成。外国人頼みの外野陣は守備面で崩壊したうえの巨人移籍でスケールも物足りなかったし、薮田・藤田以外の投手で試合を作ることが出来なかったのも痛かった。来季はこれに加えYFKの高齢化、諸積・井上・垣内・喜多の退団でますます薄くなる事が予想されたので、投6・外野3という9人の内訳は当然といえば当然。ただ捕手・内野手も人数そのものが不足している(つうかのトレードでますます手薄になった)ので、もう少しバランスを取った指名をしても良かった。

まず外野手は、いずれも荒削りな選手を取ったなあ、というのが第一印象。神戸は完全なるスラッガーだが、今季台頭した大松と比べるとバッティングに柔らかさが足りないのが不安材料。足を高く上げすぎな面があるので変化球には苦労すると思われる。
四国リーグ出身の角中は走塁・守備も達者でスケールダウンするサブロー・大塚の後を継がせたいが、経験不足からかバッティングはかなり荒っぽい。だが20歳にして四国リーグからプロ入りを果たしたという伸び率の高さは無視できない。
高卒の佐藤もスラッガータイプだが、バッティングの柔らかさでは前者2人よりも上だろう。横浜高校監督の「ストライクが来ればほとんどヒットできる」という言葉に期待したい。

近年のロッテお家芸の「年齢バランスをしっかりとる」という投手の戦略。浅間しかいな23歳(来季)の層に2人埋め込んだ上、高校生の指名も欠かせず今季も年齢構成を見ながらのドラフトは健在だった。一軍レベルの話では、成瀬(22歳)と久保(26歳)の間にもう2人ぐらい戦力が欲しいところだが。

大嶺・黒滝という豪腕派を揃えた高校生投手。一軍の層の薄さはあっても、ここ数年のドラフト戦略により24〜26歳の層には厚みが出ておりすぐの一軍は難しいだろう。

一方の即戦力組は、リリーフタイプを揃えたいという一心だったのか完成度を備えた指名である。荻野は年齢的にも即戦力と成り得る存在でありフォームにも躍動感がある。7種類の変化球、牽制・フィールディングの巧みさでいかにもリリーフという投手。ただフォームの躍動感の反面、テークバックの際体ごと反動をつける・踏み出すときの歩幅がかなり広いという癖もあるので連投させると疲れが溜まり易くあるかもしれない。
左投手の江口は落差あるカーブが注目されての指名。ストレートは140キロ台中盤なのでリリーフよりは先発を目指した方が伸びるだろう。
同じ左腕の松本はサイドスローという変則。26歳での入団なので即、使いたくなるタイプであるが制球力が課題。
中郷はフォームの完成度・投球のパワーどちらも兼ね備えており、抜擢されたらすぐに結果を残せると思う。リリーフエースの薮田は縦の変化が勝負球なので、スライダーが決め球の彼と両輪を組めれば継投の幅が広がる。

2006年ドラフト分析・1 〜身の丈にあった数の下位3球団

週間ベースボール「大学・社会人ドラフト採点」を見て拍子抜けしてしまった読者がここにいたり(どうでもいい)

つうか絶対真面目に採点してないだろ編集長。
簡単に100点を超える点数与えたり、
広島・ブラウン監督「101点」発言をそのまま点数にしたり。
てっきり独自に分析しているのかと思いきや内容がこれでは…




このへっぽこブログを始めたのが今シーズン中とあって、
昨年のドラフトをシーズン中に分析するという、
旬を過ぎているもいいところだった前回。
今回は幸運にもオフに取り上げることができたが、この時点で入団するか否か決まっていないのが約1名…



※青字:高校生 緑字:大学生・社会人 赤字:26歳以上の社会人(来シーズン時点で)

<横浜ベイスターズ>
指名選手:北篤(投)梶谷隆幸(内)高森勇気(捕)高崎健太郎(投)木村雄太(投)下園辰哉(外)下窪陽介(外)吉原道臣(投)


ロッテ濃厚と見られた木村雄を強行指名した事もあり、彼の去就はまだ未定である。「彼が入団するか否かで、門倉(FAで巨人移籍)の人的補償の方針が決まる」という事だが、投手の年齢層が25歳前後に固まっているので即戦力狙いでいいのではないか。まあ早急に結論を出す必要は無いが。

そんな木村雄の事もあり、大・社ドラフトはどこか冴えてない。多村(ソフトバンクにトレード)は最初から放出予定だったから外野手を2名獲ったのだろうが、一軍半レベルにも内藤・桑原・西崎が控えているから出番は限られる。獲るなら高校生の方が良かったのだが、地元の佐藤をロッテに獲られた事もあり仕方なかったか。もしそうだったら今回の大・社ドラフトはとやかくロッテに掻き回されている事となっており、なんだかなあという気持ちである。
希望枠の高崎は、やや重心が後ろに残る点が不満。02年以降毎年のように逆指名を取り付け即戦力投手で溢れかえっている投手の陣容だが、改善できれば大外からの逆転は現実的である。ただ大矢明彦新監督はセットアッパー川村・加藤の先発転向を示唆しているから、先発を狙うにはかなり厳しい状況なのは否めず。まずはリリーフからか。

高校生3人はいずれも将来性抜群で良好。20歳代中盤に選手層が偏っているから3年後の状況は厳しいだろうが、横浜は高卒選手を長い目で見る球団なので焦らずじっくりと成長してもらいたい。



<東北楽天ゴールデンイーグルス>
指名選手:田中将大(投)山本大明(捕)永井怜(投)嶋基宏(捕)横川史学(外)渡辺直人(内)


高校ドラフトの目玉・田中獲得で注目されたが、獲得人数はわずか6人。バッテリー2名ずつ(高校生・即戦力1名ずつ)・内野手1名・外野手1名と全ポジション満遍なく揃えようという意図は感じられたが、ピンポイント補強よりは大量補強で陣容を整えることに邁進するべきではなかったか。補強費の限界があって難しいことは解るのだが…
2年連続で希望枠行使表明も獲得できずという轍を踏んでおり、有力アマチュア選手に「指導体制が整っていない」と思われている感があり、それならば尚更量を採った方が良いのではないかと思うのだが、終わった事は仕方ない。戦力外選手を4名も取ったのはそんな反省があったのではないだろうか

大・社1巡目の永井はとにかく線が細く、ボールが軽いのが難点。彼一人に即戦力の期待をかけるのは荷が重く、彼以外に2・3人投手指名があれば良かったのだが。
捕手のは1年目からいけそうだ。前年の河田・井野と違い守備面ではほぼ完成の域で、フル出場が難しいレギュラー格・藤井との併用でバッティングで力を付けていく、という起用が望ましい。尚、目玉である田中については「自分にとってはリードしづらいピッチャー」と発言しており、その田中と同じチームになるとは面白い偶然である。
外野手の横川はスケールアップを図る指名でヒットしそうな予感だが、内野手の渡辺直はいささか疑問。年齢的(来季26歳)にもそうだし、守備型ならレギュラー格の塩川・沖原をはじめ西谷・西村など沢山いる。野村克也監督はこういった職人型選手が好みだが、「長打は外国人頼み」では何時まで経っても安定したチーム力は築けない。

さて田中である。甲子園での活躍で即戦力との声も多いが、やや投球フォームにロスがあり開幕一軍というのは酷。緩急の「緩」が不足しているスタイルも不安材料で、春先はファームで経験を積ませるべきである。段階を経て、ダルビッシュ(日ハム)のような活躍をしてくれれば…



<広島東洋カープ>
指名選手:前田健太(投)会澤翼(捕)宮崎充登(投)上野弘文(投)青木高広(投)中東直己(外)


ブラウンの101点発言を間に受けてそのまま点数を載せた週べであるが、僕個人の感想としては「ああやっちまったな〜」という感想である。
まず内野手を一人も取らなかったのは失敗。栗原・東出・新井・梵でダイヤモンドが固まりつつあるのだが、その下の世代が居ないという事に目がいってないのではないか。控えも松本を筆頭に俊足好守タイプが目立つので、できれば代打要員となりうる素材が一人欲しかった。

それから大・社ドラフトでは高齢選手が多い!! 広島らしからぬ「すぐに使えそうなピッチャー獲得」という指名で、ブラウンの「投手が欲しい」という要望の下決めたのだろうが、それにしては宮崎・上野と剛球タイプを揃えてきたので首を傾げる。完成度という点では両名とも微妙なので、「失敗したら」という不安と常に背中合わせで戦わなければいけない。昨年も下位指名でアメリカ帰りの飯田を獲得。最速153キロのストレートが評判だったが故障でファームでも登板はゼロ、1年で戦力外となっている(育成枠入り)。そしてそんな選手に即戦力を期待するフロントに不安を抱くのである。
ブラウンが勝負を賭ける2年目とあって弱点補強を前面に押し出してのドラフトだったと思うし、こと投手に関しては中々いいメンバーが揃いつつあるのだが、もっと将来に備えた指名も見せて欲しかった。とくに野手は過去2年ほとんど指名してないし…

外野手では、神戸(ロッテ入団)を獲れなかったのは痛い。おかげで25歳の中東が浮き気味となっているのが頂けない。外野の控えは修羅場と化していることだし。

高校1巡目の前田健については何も言うことは無い。技術的には2年前の1巡目・佐藤(フォーム改造するらしい)を既に上回っており1年目からのローテ入りも十分有り得るが、まずはトレーニングで体の線を作ることから始まるか。

過去5年のドラフトを分析する 〜阪神

<指名人数> ※()内は逆指名人数
2004年=9人 (2人)
2003年=5人 (2人)
2002年=11人(2人)
2001年=8人 (2人)
2000年=8人 (2人)


<投手:野手>   <高校生:即戦力>
2004年=5:4    5:4
2003年=2:3    1:4
2002年=8:3    2:9
2001年=3:5    2:6
2000年=3:5    2:6


<上位2指名のバランス>
2004年=バランス・即戦力
2003年=バランス・即戦力
2002年=投手・即戦力
2001年=バランス・即戦力
2000年=投手・即戦力



注)辻本賢人(04年8巡目)・水落暢明(04年10巡目)は高校卒に入れた


80年代後半〜2001年までの低迷期・通称「暗黒時代」を乗り越えた阪神。
しかしドラフト的にはあまり変わっていない。これだけでもいかに星野仙一前監督の「劇薬」とも言うべき補強策が功を奏したかが解る。
辛うじて03年の優勝以降バランス型ドラフトを展開し始めている、といった程度か。

それにしても、5年間での逆指名・自由枠人数が10人というパーフェクトを達成している球団は阪神1つだけである。
それにしては、過去10年間の上位指名の成功選手6人は少ない。しかも高校卒の関本健太郎(96年2位)・井川慶(97年2位)・藤川球児(98年1位)を除けば3人である。(今岡誠=96年1位・安藤優也=01年自由・鳥谷敬=03年自由)

いかに阪神が即戦力を掻き集めてきたか、球団フロントに見る目が無いかがお解り頂けたと思うが、さらに心配なのが下位指名でも高校卒選手の割合が少ないことである。04年以降改善の兆しがあるが、遅いのは否めない。
こういう環境で、しかも地元マスゴミやファンが上位指名選手に過剰な期待をしてプレッシャーも余計にかかるから、下位指名選手の方に坪井智哉(97年4位・現日ハム)・福原忍(98年3位)・赤星憲広(00年4位)・久保田智之(02年5巡目)といった名選手が現れるのだろうか。

現在こそ4年間の平均順位は2.5であるが、金本知憲をはじめとするベテラン勢が一斉に衰えたら、今のままでは補填は間に合わない。
バランスは改善されてきたと上の方で書いたが、昨年のドラフトも投手:野手は5:1という危機感の感じられない指名に終わった。これは本当にヤバイ。


ベストのドラフト年は断然03年。
戦力になっているのは鳥谷桟原将司(4巡目)ぐらいであるが、やはり鳥谷の加入は、今後の阪神フロントの姿勢の変換(野手の補強)を予感させるものだった。
しかし現時点ではあまり変わっていないが…







楽天はまだ2年しかドラフトをしていないのでここで完結…(逝け)

過去5年のドラフトを分析する 〜日本ハム

<指名人数> ※()内は逆指名人数
2004年=8人
2003年=6人(1人)
2002年=7人
2001年=7人(1人)
2000年=7人(2人)


<投手:野手>   <高校生:即戦力>
2004年=5:3    3:5
2003年=4:2    3:3
2002年=2:5    3:4
2001年=3:4    3:4
2000年=3:4    2:5


<上位2指名のバランス>
2004年=投手・バランス
2003年=投手・バランス
2002年=バランス・高校生
2001年=投手・即戦力
2000年=バランス・即戦力



注)糸井嘉男(03年自由)は投手に入れた


僕の尊敬する三原脩氏が初代社長・代表に就き誕生した球団。当初は大幅な血の入れ替えを敢行したこともあってか即戦力中心のドラフトだったが、初優勝(81年)+三原氏退陣を境にバランス型ドラフトへ移行し現在に至る。
よく言えばバランスが取れている反面、悪く言うと目立った点の無いドラフト。そんな指名が続いた。それも東京ドーム開設の88年以降からである。

81年以降優勝は無いが、93年=2位、96年=2位、98年=2位、00年=3位と最後まで優勝争いを繰り広げたシーズンがポツリポツリと存在している。これぞ「好指名だが、凄みが無い」ドラフトの結果である。

そんな球団が変わったのが、北海道移転を翌年に控えた03年ドラフト。2巡目で指名した須永英輝は、「巨人以外には行かない」という趣旨を西村健太郎(現巨人)と共に公然と言っていた選手。それをヒルマン監督の「この選手が欲しい!」という一言を受けて形振り構わず指名。ヒルマンの交渉術で見事モノにした。
01年は寺原隼人(現ソフトバンク)、02年は高井雄平(現ヤクルト)を回避していたのに、この意欲的な指名には震えた。
そして04年に1巡目指名したのがご存知ダルビッシュ有。球界再編の混乱と人気球団が即戦力にしか目が行かなかったことから、すんなりと入団させることが出来た。
昨年のドラフトも、ソフトバンクと競合の末野手で一番人気の陽中寿を獲得できた。この3年間はまさに意欲的だった日ハムフロント。

その成果を示すように、現在の戦力は充実期にある。野手の移籍選手の多さが気になる点ではあるが、森本稀哲(98年4巡目)・田中賢介(99年2巡目)の25歳コンビが1・2番に定着したので、若手は今後彼らに引きずられるように台頭してくるだろう。
その若手は、佐藤吉宏(01年4巡目)・尾崎匡哉(02年1巡目)・市川卓(04年5巡目)・鵜久森淳志(04年8巡目)・そして前述した陽。である。これでも引退宣言したSHINJO以外にベテランが多いことを考えればまだ足りないので、今後も高校生の逸材の指名に抜かりを無くさないで欲しい。


ベストの年を挙げれば、まだ結果は出ていないが04年だ。
やはりダルビッシュの指名は大きいが、彼が失敗した時の事を考えての即戦力投手4人の指名も評価できるし、高校卒スラッガーを2人獲れたのは万々歳。
3年後の日ハムを早く見てみたい、と血わき肉踊っている人間が此処にいる。

過去5年のドラフトを分析する 〜中日

<指名人数> ※()内は逆指名人数
2004年=11人(1人)
2003年=7人
2002年=7人
2001年=7人
2000年=8人(1人)


<投手:野手>   <高校生:即戦力>
2004年=6:5    0:11
2003年=3:4    2:5
2002年=3:4    4:3
2001年=3:4    3:4
2000年=5:3    3:5


<上位2指名のバランス>
2004年=投手・即戦力
2003年=バランス×2
2002年=野手・高校生
2001年=野手・バランス
2000年=投手・バランス




星野仙一前々監督時以外のドラフトはフロントに熱意が感じられない、という印象だった過去の中日ドラフト。
今でも落合博満監督のファクターを受け、というよりは前面委任しているという感じなので、やっぱり熱意を感じることは出来ない。

星野第二期政権の97〜98年には、星野の意向が存分に反映された。
前年の最下位に危機感を覚えたのか、1位指名で川上憲伸(97年)・福留孝介(98年)という即戦力中の即戦力選手を獲得。トレードやFAで盛んに即戦力を求める星野ならではの指名に驚かされたが、それも99年の優勝を境に沈静化。1位指名も朝倉健太(99年)・中里篤史(00年)という高校卒選手に切り替わり将来に備えた。
それでも00年は小池秀郎・佐野重樹とトレード選手で失敗、01年はFA市場に入り川崎憲次郎を獲得したがこれも失敗し、星野は中日を去る。

山田久志前監督から落合就任1年目まではフロント主導でドラフトを行うのだが、この3年間がチグハグした物となってしまう。
01年は何を思ったのか、上位2人をキャッチャー(前田章宏・田上秀則=現ソフトバンク)で占めるという指名を敢行し失敗。廃部した河合楽器勢2人(4巡目・久本祐一、6巡目・山井大介)の緊急指名が出来なければ球史に残る失敗ドラフトだっただろう。
02年はコンセプトこそバランス型指名だが、1巡目の森岡良介がどうかという程度で他6人は全滅状態。
03年は筒井和也(現阪神)・小嶋達也(現大阪ガス・今ドラフトで阪神入団濃厚)を獲り逃す脆弱ぶりを発揮。

次々と失敗ドラフトを繰り返した所に現れたのが、04年優勝という勲章を引っ提げた落合である。
04年はそれまでのバランス型ドラフトとは常軌を逸した、11人全員即戦力という極端な指名を敢行。翌年も10人の指名(即戦力は6人)と、大量獲得を続ける落合。
当然退団選手も多く、70人枠のうち落合就任以降に入団した選手は40人を超えており、いかに落合が血の入れ替えを積極的に行ってきたかが解る。
恐らくは名古屋という土地柄、どうしても生え抜きに対する周囲の甘さがあったはずで、それを落合ならではの厳しさで変えようとしている、そう目に映った。

ただ03年までに指名された有望な高校卒選手が、04年以降の即戦力選手や移籍選手により過酷な状況となっている点は見逃せない。土谷鉄平(現楽天・00年5位)・仲澤忠厚(現ソフトバンク・00年7位)に至っては移籍後大幅に出番を増やしている。
1軍で結果を出している森岡は難を逃れそうだが、中川裕貴(03年1巡目)や堂上剛裕(03年6巡目)が放出されれば、それは中日=落合に乗っ取られたチームになった事を意味する。そうならないためにも、フロントは落合に依存せずチーム編成について思う事をぶつけて欲しい。


ベストなドラフト年、比較的フロントのミスが無い00年だろうか。(それでも洗平竜也のあのノーコンぶりに「スカウトはどこを見ているのか」と思った事は確かだが)
下位指名の岡本真也(4位)が主力にのし上がり、土谷(鉄平)も落合により解雇されたが、楽天での活躍を見る限り担当スカウトには見る目がある。
致命的な故障を負ってしまった中里が完全復活すればさらに秀逸なものになるだろう。

過去5年のドラフトを分析する 〜オリックス

<指名人数> ※()内は逆指名人数
2004年=4人(1人)
2003年=7人(1人)
2002年=7人(1人)
2001年=14人(2人)
2000年=9人(1人)


<投手:野手>   <高校生:即戦力>
2004年=3:1    0:4
2003年=4:3    2:5
2002年=3:4    2:5
2001年=5:9    1:13
2000年=4:5    3:6


<上位2指名のバランス>
2004年=投手・即戦力
2003年=投手・バランス
2002年=投手・即戦力
2001年=バランス・即戦力
2000年=投手・バランス



注)内海哲也(00年1位・現巨人)・開田博勝(00年5位)は入団拒否だが一応加えた


ここ8年間で3人もの入団拒否選手(上記2人以外は98年1位の新垣渚)がいる苦しいドラフト事情。
阪急時代から主力=即戦力選手の方程式が成り立ち、ここ最近でも印象の強い高校卒選手はイチロー(91年4位)ぐらいだろう。
そんな伝統があるから、00〜01年に行った「契約金ゼロでの選手獲得」でも主となったのは即戦力選手、しかも25歳以上の選手が多かった。しかし彼らは出来高金を手に入れた選手すら3人しか現れず全滅状態。この試みは完全に失敗だったのだが、もしも契約金ゼロ選手が全員高校卒だったらどうなっただろうか気になるところではある。

即戦力指向は行き着くところまで行っており、今更高校生主体に変化するなんてこともまずないだろう。この5年で指名された高校卒はわずか8人。1年当たり1.6人は異常な少なさであり、とりわけ01年の1:13が威圧的である。
即戦力中心でも、しっかりと根をはってモノになってくれれば阪急黄金時代のようになるだろうが、球団合併(04年・近鉄と)の影響もあってか退団選手が多い。
00年=6人(2人拒否)、01年=8人、02年=4人と半数以上の選手が引退か他球団に所属している。これでは「単なる数合わせ」と言われても仕方ないのではないか。

そんな中、この3年で辛うじて戦力となっている選手を挙げると、早川大輔(01年5巡目)・本柳和也(01年9巡目)・後藤光尊(01年10巡目)。
主戦力に成長したのが大久保勝信(00年2位)・平野恵一(01年自由)・加藤大輔(02年自由)。
3年間で合計6人はまあまあ合格と言えるが、何せイチローをはじめかつての主力選手がほとんど退団してしまっているのだからまだまだ足りない。それを補充するために大量に即戦力を獲得したのだと思うが、やはり方向性の見えない大量補強はほとんど意味を成さないのだ。

こんな状況ではベストのドラフト年を考えるのも煩わしいが、あえて挙げるなら03年か。
主戦力は一人も居ないが、退団選手が今のところ一人も居ない点を評価した。
柴田誠也(2巡目)・松村豊司(6巡目)が先発ローテーションに入ってこないと3年後は苦しいだろうが、まだ前年までと違って期待感がある。まあ淡い期待となると思うけど…

過去5年のドラフトを分析する 〜横浜

<指名人数> ※()内は逆指名人数
2004年=9人(2人)
2003年=4人(2人)
2002年=10人(2人)
2001年=5人
2000年=9人(1人)


<投手:野手>   <高校生:即戦力>
2004年=5:4    2:7
2003年=3:1    0:4
2002年=4:6    3:7
2001年=4:1    3:2
2000年=6:3    6:3


<上位2指名のバランス>
2004年=投手・即戦力
2003年=投手・即戦力
2002年=バランス・即戦力
2001年=バランス×2
2000年=バランス×2




2001年オフに、それまでの親会社であったマルハが経営難から経営譲渡した。
譲渡先についてはひと悶着あったがTBSに落ち着いた。それによりドラフトの姿勢が180度変わってしまっている横浜の近況である。

2001年までのマルハが挑んでいたドラフトは、高校卒選手を中心にしつつもある程度のバランスを取ってきた指名であり、この傾向は97年からである。上位2指名が高校生だった97年以外(98〜01年)は、高校卒1位・即戦力2位の指名を続けバランスを取り、下位指名は大化け狙いといった指名であった。

しかし親会社変更に伴い、バランス型ドラフトが一変。上位指名は毎回自由枠を行使し、下位指名も即戦力選手ばかりをかき集める変貌ぶり。
この時期、チームは5年連続のAクラスが途切れ最下位を迷走していたので何が何でも即戦力を獲りたい気持ちは解らないでもないが、だったら何故モラルがどうこうという理由だけで多田野数人(現大リーグ・02年の自由枠入団が内定していたがホ○ビデオに出演していた経歴にTBSが不快に思い拒否)を指名拒否したのか理解に苦しむ。本当にチームを強くしたいのなら、そんな事は些細な事ではないのか。

またこの6年間隔年で指名人数が多くなったり少なくなったりしているのも、官僚的で熱意がないなぁと思ってしまう。

さて、このTBSの即戦力嗜好でワリを食った感があるのが、01年以前の高校卒選手たちである。
6人指名されたドラフト上位組でモノになった(なりつつある)のが古木克明(98年1位)・内川聖一(00年1位)・秦裕二(01年1巡目)の3人。まあまあの数字であるが、下位指名に目を向けると、恐ろしい事に小池正晃(98年6位)だけ!見事なまでに02年以降の即戦力組にチャンスを奪われてしまった。
多村仁(94年4位)・金城龍彦(98年5位)の大化けがなかったら、最下位はもっと長く続いていたに違いない。

その02年以降の即戦力組であるが、上位指名に的を絞ると結果を出しているのが村田修一(02年自由)だけ。那須野巧(04年自由)がどうかという感じで、後は全滅状態。
高校卒重視のマルハ時代でも木塚敦志(99年2位)・吉見祐二(00年2位)という主力投手を輩出しているから、TBSのスカウト能力にはやはり疑問符を付けざるを得ない。


悪い面ばかりを取り上げてきた気がするが、ベストのドラフト年は、TBS初年度の02年を推したい。
少ない高校卒選手(3人)の中、吉村裕基(5巡目)に大化けの気配が出てきたし、多田野・土居龍太郎(自由・現ロッテ)の穴は加藤武治(4巡目)がしっかり2人分埋めている。後は即戦力組からベンチ入り野手が生まれるのを待つだけだろう。

過去5年のドラフトを分析する 〜西武

<指名人数> ※()内は逆指名人数
2004年=5人
2003年=7人(1人)
2002年=5人(2人)
2001年=4人(1人)
2000年=8人(2人)


<投手:野手>   <高校生:即戦力>
2004年=3:2    3:2
2003年=4:3    3:4
2002年=2:3    1:4
2001年=1:3    3:1
2000年=4:4    1:7


<上位2指名のバランス>
2004年=バランス×2
2003年=バランス×2
2002年=バランス・即戦力
2001年=野手・バランス
2000年=投手・即戦力




かつて黄金時代を築いた西武。その原動力となった裏技・密約ドラフトは、様々な規制(進路希望の徹底とか)もありやらなくなったが、おかげでどこかかしら淡白なドラフトに見えたりもする。

97年以前は即戦力重視のドラフトで、その中から90年代後半の主力である高木大成・大友進・石井貴・西口文也・森慎二・和田一浩らが飛び出した。
しかし少ない高卒選手の中からも松井稼頭央(現大リーグ)や小関竜也(現巨人)がモノになっている。そうしたことを考えてかは解らないが、98年から方向転換しバランス型ドラフトに努めている。特に方向転換初年度だった98年の1位は松坂大輔。松坂の存在がターニングポイントとなったと推測できる。
高校卒スカウトに関して西武は非常に優秀で、高校卒が1人しかいない00年ドラフトでも、中島裕之(5位)がしっかりと主戦力になるという凄さ。

投手は松坂以外即戦力が目立つので当てはまらないが、涌井秀彰(04年1巡目)が2年目で早くも主戦力に成長するなどやはり優秀さが目立つので、本腰を入れて高卒投手を指名して欲しいところだ。

気になるのが即戦力の上位指名選手の伸び悩みであるが、野手に関しては成長著しい高校卒選手が彼らの台頭を阻んでいるともいえるので仕方ない。
ただ投手の成功率が低いのは問題で、これが近年の投手王国の動揺の原因といえる。特に大沼幸二(00年1位)・長田秀一郎(02年自由)・山崎敏(03年自由)は、04年の優勝貢献以降尻すぼみなので奮起が望まれる。


ベストのドラフト年であるが、上位から3人を野手で占めた01年を挙げる。
細川亨(自由)・中村剛也(2巡目)・栗山巧(4巡目)いずれも一軍の戦力となり、近い将来の主力となることが期待されている。
竹内和也(5巡目)が挫折したためアンバランスな年となっているが、それは隣年でカバーできれば問題ない点だ。

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