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  • 2007.04.08 Sunday
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NPB's dreams 〜第4夢

パリーグに続きセリーグも開幕し、
いよいよ長いペナントレースがどんな物語を描くのかと思うと、胸が躍ります。


さて最近の野球界ですが、
大スターが一斉にアメリカ大リーグで活躍する時勢もあり、
「それに比べて日本のプロ野球は…」という論調で野球が扱われる事が多いですが、
決してそんな事は無い。
何故ならそのアメリカで活躍する日本選手を生み出したのは、
紛れも無く日本であるからです。

高校や大学・社会人というアマチュアから、
プロ野球へ入団するという流れが正常に行われているからこそ、
日本人メジャーリーガーが多く生まれるようになった。

横浜高校時代「平成の怪物」と呼ばれていた松坂。
彼とて全てが順風という訳では無かった。
若かりし頃、もちろんピッチャーだった松坂ですが、
ある一つの癖が直らなかった。
それは投げに行く時ヒジがしならない「アーム式」と呼ばれるフォームであり、
強制するために指導者が採った策は、
「キャッチャーの練習をさせる」というものでした。

キャッチャーの仕事の花形は盗塁阻止。
その際の理想のフォームは「砲丸投げのようなフォーム」と言われます。
そして松坂にその練習をさせる事で、
ヒジの屈伸の大切さを意識させたという訳ですね。
そうして無事に直す事ができたからこそ、現在の松坂が有る。
大リーグを取材する方も、その事を胸に刻んで仕事に挑んで貰いたいものです。



ところがどうしたものか、
そういった事を理解する気があるかどうかすら不明なメディアが現れるのは、
現代社会の常なのでしょうか。


キャンプ中の話ですが、
「我々とファンの架け橋がマスコミだから、丁寧に対応するのは当然だろう」
などといった自惚れにも程があるコメントが新聞記事になったものだから、※1
もう呆れを通り越して笑うしかなかったですよ。

昨年も、
「運命共同体であるマスコミへの配慮が必要」
などという記事がネットを軽く賑わせていたものですが、
本当に情けなくなりますね。

現在の日本プロ野球が危機だ危機だと言われているのも、
地上波放送の削減に見られるようにメディアの露出が少なくなっているのが根拠ですが、
危機だ危機だと騒ぐだけで何もしてくれないのが「運命共同体」とは、
どんな体を張ったギャグなのでしょう。
本当に運命共同体ならば、危機的状況だと思うのならば、
積極的に取り上げて救う努力をするものでしょう。
そうでないと自分達の立場も危なくなってしまうのですから。

しかし上記のようなメディアは、
選手達にたかってばかりでロクに注目してくれないし、
逆に自分達が気に入らないと判断した野球関係者はとことん叩く。
それもプレー云々とは関係なく「マスコミに配慮しない選手」がその対象となるから、
マリナーズのイチローや中日の落合監督といった人物に対して、
根も葉もない事が書かれていく訳です。
「それなんてプロパガンダ?」と突っ込みの一つでも入れたくなりますよ。



そんな疑いが、
「日本野球は衰退していない、ただメディアが注目していないだけだ」
にまで発展していくのが僕の悪い性分であるのですが、
今春キャンプでほとんどが北京五輪・星野ジャパン(どうでもいい事ですがこの「○○ジャパン」という呼びはあまり好きでないです、「○○」という部分が強く「日本を応援する」という気分が殺がれてしまう。まあ僕が神経質という面もあるのですが)に話題を裂かれたのを見るや、
あながち嘘ではない気がするのですがどうでしょう。



ON時代とまで呼ばれた二大スターの時代を経て発展してきた野球界という事もあり、
メディアはスーパースターを求めがちです。
今季で言うのならば楽天・田中と早稲田大学・斉藤が、
さかんにメディアが発するスポットライトを浴びています。

しかし毎度の事で申し訳ないのですが、
全体のレベルが上がっているから、ONのようなスーパースターは今後現れづらい。
だからこそ特定の選手にばかり注目せず、
広い範囲で選手を観る事でファンの興味を呼べると思うのです。
「広く・浅く」という言葉はどの業界でも聞く言葉ですが、
新規ファンの興味をひくにはやはりこの思想が大事なのです。



2リーグ12球団揃い踏みとなった日本プロ野球ですが、
何といってもまずソフトバンクが強い。前評判どおりと言われればそれまでですが、
巨大戦力といわれる投手陣に胡坐をかく事無く、
山村を復活させたり森福を抜擢したりしているのが恐ろしい点です。

珍しい出来事は日ハム「6戦で3引き分け」でしょう。
開幕戦の引き分けは雨天コールドでしたが、
後の2戦はしっかりと先発投手が9回投げている。
特に30日のダルビッシュ14奪三振ですから凄まじい。
投手陣の頑張りに比べ打線が低調という印象ですが、
1・2番コンビの森本・田中賢介が軌道に乗り始めたら怖くなりますよ。

その1・2番コンビに変化があったのが中日です。
名コンビにして最強の二遊間だった荒木井端ですが、
今季は従来とは逆の打順でスタートしました。
「中村紀・ウッズ以外は誰でも2番を打てる」という落合監督の発言しかり、
攻撃的な野球を展開しそうで今季も強力なのは間違いない。

中日の対戦相手だったヤクルトはその強さに飲まれた格好となりましたが、
育成枠から這い上がってきた伊藤が見事開幕1軍スタート。
初登板は2失点と打ち砕かれましたが、今後が楽しみです。

早速結果を出したのが阪神のルーキー・小嶋です。
社会人時代は全然登板が無かっただけに、
希望枠でも即戦力とは見られにくかった左腕ですが、
そんな選手が予想を裏切って即戦力となっていく。
本当に野球は奥が深く面白い。そんな事を考えさせてくれます。

その他、広島のルーキー投手も良い。
2戦目に早くも先発で抜擢された青木高広
相手にとってはかなり打ちづらそうな技巧派左腕です。
リリーフで早速初登板した上野・宮崎と共に今後も貴重な戦力となっていくでしょう。
ロッテは相変わらずの日替わり打線ですが、
チーム内で頭一つ勢いが抜けている青野をはじめ将来を担うバッターがゴロゴロいる。
西岡・今江の成長を見ても指導者が手を緩めていない何よりの証拠です。
楽天は苦難続きの一週間でしたが、2勝がいずれも青山というのが実に興味深い。
2年前の今頃は「岩隈でしか勝てない」だったのが、
今季は「青山でしか勝てない」ですからねえ。本当に何が起こるか分かりません。



既に70年以上という歴史を刻んでいるとおり、
プロ野球の世界に終着点というものは無い。
スターが流出したっていくらでも代わりの人材が出てくるもので、
そうして抜擢された新星が新たなドラマを生み出す。
この人材輩出の流れが止まらない限り、プロ野球は永遠に不滅です。

僕も今季の観戦試合は早くも3を数えましたが、
これからもそのドラマを可能な限り見続けたいと思います。







※1 何も隠すことは無い、夕刊フジのこの記事ですよ

NPB's dreams 〜第3夢

ついにパリーグが開幕しました。
エースで敗れた球団が2戦目でお返しをするという第1節でしたが、
千葉マリンのように2戦続けて引き分けというのもかなりのレア物です。
目にしたファンは一生その事実を脳裏に焼き付けておく事でしょう。

開幕カードは見なければならないと思い、
昨日は僕もグッドウィルドームへと足を運びましたが、
やっぱり球場は何度行っても良いですね。

試合内容としては楽天の大勝でしたが、
実に選手達は溌剌としてましたよ。
ファインプレーを魅せた沖原や福地しかり、
脅威の一塁への走塁でヒットをもぎ取った鉄平しかりです。

岩崎が前日のデビューから一転して、大炎上してしまいましたが、
それでもあの変則トルネードフォームがランナーを背負うと打って変わって、
洗練されたクイックモーションに切り替える辺り即戦力ルーキーという感じがしました。
そんな日本球界に順応せんと助っ人のジョンソンも必死でしたし、
選手のプレーを見ているとついついこちらまでウキウキしてしまう。



ところがどうして、
そんなウキウキ気分に水を差す方が現れるのでしょうか。

先々週号の週刊ベースボールで、
野球解説者と呼ばれる方達のペナント展望が載せられていたんですが、
そのコーナーの中に目を疑うようなコメントがあるんですね。

大洋OBである高木豊氏によると、
「オリックスはコリンズ監督の野球が見えてこない」ですと。
短いコメントですが、
ある意味これは究極の侮辱コメントですよ。

低迷するチームを立て直すのにビジョンが無い訳が無い。
ましてやコリンズ監督大リーグで監督の実績があるし、
他球団のバレンタイン・ヒルマン・ブラウンと同じ外国人監督としての期待もある。
野球が見えなかったら自分で見に行けば良いじゃないですか。
ましてや解説者という野球を観るのに絶好の立場なんだから。
それをせずにコリンズ監督が悪いかのようなニュアンスのコメントを載せる。
解説者としてあるまじき行為にも程がありますよ。


最近はこういう解説者が増えましたね。
豊田泰光氏のコラム「オレが許さん!」も先々週号は凄かったですよ。

「(岩村のOP戦での不調は)今季(アメリカに)移籍した中で蚊帳の外に置かれているようで心配です。今やオレもメジャーの事がまず頭に浮かぶようになったという事が日本野球の衰退を意味してるんですよ、マジで。関係者はそこに気づいて欲しい。」
という文章で占められていましたが、
ハッキリ言って貴方の頭の中のことはどうだって良いんですよ。
とにかく野球を観る。それが一番の重要な事なのにそれをせずに批判しているのですから、
これでは野球界をダシにして生活しているのではと疑われるのも仕方ないじゃないですか。

「オレが今の巨人に苛立つのはピンチであるにもかかわらずその自覚が無いことです。キャプテン・阿部君が『(メディアの方は)ソフトバンクばかり見ないでウチにも来てほしい』と言っていたのにはガクゼンとしましたねえ。…(中略)…相変わらず野球界は熱気を行方不明にしているような事ばかりやっている。」
という文章しかり、
巨人の情けなさから「野球全体の衰退」に繋げるという論調も、
もういい加減にして貰いたいのですがね。
たとえ巨人以外の11球団が全て上昇機運に乗っかっていたとしても、
巨人が勢いを失い続けていたら「プロ野球の危機だ」と言い続けるんでしょうね。
これでは西武の裏金問題に端を発して、
現場を全く観ずに「プロ野球もダメですね」なんて言う方と全く変わりません。

まあ豊田氏は年齢的に積極的に足を使えないという点で同情の余地もあるのですが、
逆に言えばそれだけ若い解説者が育っていないという事でもある。
高木氏を初め解説者の方は一層自覚を持って仕事に取り組んで貰いたい。
僕がここであれこれと書く行為の数百倍影響力があるのですから。
野球ファンを呼び込むような解説・分析をお願いしたいものです。



巨人と裏金問題の話が出たついでに語りますが、
先日行われた代表者会議で、
裏金問題に端を発してドラフト改革についての議論が行われた訳ですが、
巨人を除く全球団が希望枠制度撤廃という意見だったのに、
結局は希望枠存続という方向になってしまった。

改革の内容についてはとやかくいう気になれないのですが、
(希望枠撤廃は良いと思うがFA短縮については賛同しかねる)
この会議の結果を見て、やっぱりコミッショナーは全然ダメだと改めて思いましたよ。

04年の球界再編騒動で職を辞したかと思えば、
今でも「代行」としてちゃっかりその座に居る根来氏。
この大差が付いた多数決でも少数派を選択するなんて、
これでは巨人に利用されている・結びついていると疑ってしまう。
この辺り江川事件の教訓がまったく生かされてないという事で、
落胆の色は隠せませんよ。



またこの会議に先立って巨人が、
「ドラフト改革」という世論を受けて発表した独自の案にも、
高校生は上位チームから、大学・社会人は下位チームからというウェーバー制には、
どうしても納得できません。

即戦力は下位チーム、選手育成は上位チームという色分けがハッキリと生まれる事で、
ドラフトに個性が無くなるのが最大のネックだと思うんですよ。
つまりはドラフト補強につきものの「思想」が薄れてしまう。

24歳前後の選手が足りない優勝チームや、
高校卒選手が不足している最下位チームは、
この巨人案の下では自動的に選手補強が一歩出遅れてしまいます。

選手はスタジアムでどうやったら上手くなれるかを考え、
懸命になってプレーしている。
それなのに上の方がチーム強化の為の思考を放棄するなんて事になったら、
こうした選手達の頑張りは簡単に無になってしまうんですよ。
ポジションや年齢構成がすぐ歪になり、
現在の巨人のようなチーム状況になってしまう球団が続発です。



単純に高校生=将来性、大学・社会人=即戦力と決め付けるからこそ、
今回の巨人の歪な案が生まれてしまうのだと思うのです。

確かに今の巨人は盟主に相応しく育成という要素を大事にしています。
育成枠制度を最大限に利用し、社会人とも手を組んでの新リーグ構想。
底辺の拡大という策で素晴らしいものがあります。
しかしそれに逆行した案を作ってどうしろと言うのでしょうか。
好素材が12球団に満遍なく行き渡るからこそ、
スムーズな育成が行われるという事を忘れてはいけませんよ。




今や高校生だからといって即戦力になれない訳ではない。
日ハムのダルビッシュ、西武の涌井はじめ、
今季の新人の田中増渕がそれを証明している。
彼ら以外の高校卒選手も、
「体作り・技術取得が当面の課題」という下馬評を覆せるチャンスはいくらでもあります。
将来性・即戦力という垣根を取り払うような活躍を期待しましょう。

NPB's dreams 〜第2夢

いよいよパリーグ開幕に向けカウントダウン、という所まで来ました。


精力的な補強を重ね「最強」と評されるようになったソフトバンク。
その名に恥じない戦いぶりをシーズンも見せてくれるのかが第一の見所でしょう。
そのソフトバンクと昨年優勝を争った西武、彼らを退けて王者になった日ハム
戦力低下が揶揄されてますが、フロント主導のチーム編成で天下を取っただけに、
隆盛を維持し今季も優勝争いの輪に加わって欲しい。
05年の優勝から一転下位に沈んだロッテの巻き返し。
球団設立3年目でそろそろ結果が求められる楽天も大いに楽しみであり、
この所勢いの無いオリックスも新首脳陣で挑むだけに期待感が抱ける。
不肖ながら僕もこのペナントを予想させて頂いた訳ですが、
いざシーズンが始まってみれば何が起こるか解らない。
「野球は筋書きの無いドラマ」の通り想像も付かない展開となっていくのです。
05年のロッテ然り昨年の日ハムしかり、
開幕前低評価だったチーム一気に階段を駆け上がる、なんて事もザラであり、
そんな事が起こるからペナントは面白い。




さて先週はプロ野球OBはもっと野球界全体のことを考えろと、
北京五輪監督・星野仙一氏の例を取って述べてみました。
最も彼の問題は自分の功績(と勘違いしている事)を自慢したがるタイプであり、
散々現役選手に対して「私が育てた」なんて台詞を吐いていますが、
選手が成長していく最大の要素は、
選手自身のたゆまぬ努力に他ならないのです。

中日を代表するセカンド・荒木にしても、
「指に接着剤が付いているようだ」とまで語った悪送球癖を、
猛ノックを受ける事で修正できた本人の努力、
何より猛練習に耐えうることが出来たポテンシャルのおかげ。

阪神のリリーバー・ウィリアムスもそうです。
母国オーストラリアで付けた自信をメジャー挑戦で打ち砕かれ、
苦労を重ねた事で精神的にも強くなり、
必殺・鋭角スライダーを引っ提げて日本プロ野球に順応する事ができた。


だから事実かどうか判らない事象に対しても、
「私が育てた」なんて一喝しながら阪神SDとしてノホホンと過ごしておらず(具体的にどんな仕事をやっているのかは不明ですが僕にはそう見えます)、
フロントという立場で次代の日本代表監督となれるような人材を育てて欲しいのだけど、
そのためのロジックもあまり確立されていないですから難しいでしょうか。
(正直中日と阪神がデッドヒートを繰り広げていた昨年もこんなコメントを発せられると白けた気分になるというものです)


最もこれはOB云々というよりも
フロント、つまり背広組の意識に問題がある事だと思っていますよ。
ロジックを確立しようにもそもそも本業が野球でないのだから、
大抵のフロント組は基本的には仕事に対して無責任。
そしてその責任はほとんどが現場に向かっていってしまう。
当然監督も首の挿げ替えにより中々育ってこない。


選手獲得にしてもそうでしょう。
育てる手間が惜しいから一人の選手に1億という契約金を払ってでも、
即戦力となる選手をモノにしようとする。
選手育成はアマチュア界に依存して、
出来上がった者だけを獲ろうという姿勢は褒められたものではありません。
僕としては、成功するかどうか解らない選手に大金をはたくよりは、
トレーナーや練習設備の充実に当てた方が選手育成もはかどりますし、
ずっと安価でずっと効率的だと思うのですがどうでしょう。



なんて事を考えていたら、
先日寝耳に水なニュースが飛び込んできました。

西武球団がアマチュア選手に「栄養費」とやらを不当に渡していたそうじゃないですか。
これは西武球団は当然叩かれてしかるべき事件ですし、
対象となった早大野球部の清水選手の親「西武と契約したら契約金から返す約束だった」なんて責任逃れなコメントも頂けず、
先日のドラフトで入団拒否したもう一人の対象・木村選手もイメージ悪化は避けられない。


しかし僕が思うに、これも自前で選手を育てようとせず、
安易に有力選手を獲得しようとした果ての末路ですよこれは。

裏を含めた選手争奪戦、つまりマネーゲームですか。
こんなのは昔から散々言われてきた事であり、
その原因の一つとして、
「何としても○○が欲しい」という気持ちから次第に、
「他球団にだけは行って欲しくない」という気持ちに変わっていった挙句、
「唾付け」と呼ばれる金銭授与行為が行われる、といった事でしょうか。
それを緩和するべく実施されたドラフト制度も、
一応は機能していましたが江川事件などでその理念は薄まっていき、
そして93年の逆指名制度でボロボロになった。
赤字経営で苦しむ球団が多発しているというのに尚も、
多額の費用がかかる逆指名に向かうという矛盾を生み出してしまった。

04年後半に起こった、
現楽天・一場に対する栄養費授与にしてもそう。
楽天球団に入った事は僕自身も良かったと思っていますが、
3球団も疑惑があったにも拘らず、
結局はその3球団と同じく自由枠を経ての入団という事になったのですから。
「今回の事は丸く治めよう」という球界の空気を感じてしまいましたよ。
(一応僕としては自由枠の権利無し+契約金ゼロで入団が望ましかったと思っていますがそれは一場にとって厳しすぎるでしょう)


この球団の即戦力志向はどこかで悔い改めなければならないと思うんですよ。
前回も言いましたが、今の野球は全体のレベルが上がっている。
だからバリバリの即戦力候補でも、
いざプロでの勝負になったら一歩間違えれば全く活躍できない事もあるのです。
そうして球団にしてみれば契約金も水の泡となり、
また新たな即戦力選手の獲得に躍起となる。
そして即戦力となれない選手はすぐに切り捨てられ、
選手の「使い捨て」思考が強まっていく…となったら、
日本球界にとってかなりのマイナスです。


特に近年は有力選手がFA権を手にする時代であり、
1人でも多く穴埋めとして即戦力を確保したいと考える球団があるでしょう。

しかし現在アマチュア界の人材配給減の一つである社会人野球の衰退という要素もある。
クラブチームの成長独立リーグの形成など、
それを塞き止める動きが出ているのですがまだ足りない。
ですから「成長途上にあるが野球を続けられない」という人材が現れたら、
時には即戦力指向の気持ちを捨て、
積極的にそんな選手の受け皿役を担って貰いたい。




話はガラリと変わりますが、
昨年の高校生ドラフトで最初に入札を受けた選手。
田中をはじめ増渕、前田、大嶺、堂上の5人ですが、 ※1
今回のオープン戦でいずれも出番を貰っているのは嬉しい限りですよ。
この世代は決して田中・斎藤だけじゃないんです。

また単に「それだけ彼らの素材が優れている」というだけでもない。
「高卒選手は体作りが先」という意識を持たれがちなのがプロの世界ですが、
こうして先入観を打ち破ろうとしている首脳陣も素晴らしい事です。


開幕直前にして嫌なニュースが先行してしまった今季ですが、
こうしたわずかな変化から、
新たなドラマが作り上げられていく野球界。
開幕を楽しみに待つことにしましょう。





※1 大嶺は練習試合での登板だったが、OP戦の中止で急遽開催された試合ということで実質登板を果たしたと言って良いでしょう

NPB's dreams 〜第1夢

ご存知のように、この所毎日のようにオープン戦が開催されております。
主力組はシーズン中に万全のパフォーマンスが出来る様試行錯誤し、
控えだった選手はレギュラーを勝ち取らんと、
二軍暮らしの長い選手は何とか上に定着せんとばかり結果に貪欲です。


この時期の注目選手、という点は普段の日記で散々書いているので詳しく触れません。
まだ主力選手がフルスロットルといきづらい時期ですが、
今季は果たしてどんなペナントになるのだろうか、
各選手の奮闘を見ているとそんな気持ちにさせてくれます。



しかし上の方はどうもそんな熱いペナントに興味があるかどうか不明なのが、
この世界の歪な所というべきでしょうか。
よくナベツネこと渡辺恒雄・巨人会長など背広組の事が取り沙汰されますが、
それはある意味仕方ない事でしょう。
会社の事業が本業である方が多いから、長期的視野が無くてもまあ諦めがつきます。

最近は野球OBにもそんな事を考えているのでは、と考えさせらる人が現れます。
つまりは結果重視で、簡単に名誉に飛びつかんとする。
「何のための」名誉なのかはこの際問題としません。


現在それが顕著なのが次回オリンピックへの準備でしょうね。
2008年開催される北京五輪、
その指揮を執るのは言わずと知れた星野仙一氏なのですが、
何でもその星野氏が、
早大・斎藤佑樹プレ五輪出場を呼びかけたらしいじゃないですか。


確かに昨年の甲子園大会で一躍有名になった斎藤ですが、
まだ大学1年で実績の何も無い投手でもあります。
六大学リーグで通用するかどうか分からない段階で、
こうして声を掛ける事自体おかしいじゃありませんか。

プレ五輪は8月という事でまだ先ですが、
春季リーグは斎藤にとって初めての大学野球、
どれだけ通用するのかはまだ誰にも解りません。、
気持ちを焦らせて故障、という最悪のパターンになったらどう責任を取るのでしょう。
将来の大エースとなれる素材が、
上の都合で潰れたりしたらたまったもんじゃありません。


早大の応武監督はその事を十分理解し、
しっかりと斎藤に助走させてやりたいと考えたからこそ、
斎藤を派遣リストに加えなかったのでしょう。

それなのに星野氏は憤慨し、
「自分のところさえ良ければいいという考えでは、野球界は盛り上がらん」
と一喝しました。
自分の事しか考えていないのはどっちなんでしょうね。
話題先行で選考していると疑ってみたくもなります。
金メダル獲得という名誉を野球界にもたらす為、
さらにそれをメディアを通じて日本全国に知らしめる為に、
人材配給源となるアマチュア球界を踏み躙るのでは本末転倒です。


仕舞には応武監督に対する人格批判ですよ。
先日とある講演会で観客に向かって、
「彼はプロに入りたくて入れなかった人間らしいし(プロ側に)ひがんでいるんじゃないかと思ってしまう」だと。

仮にもスターである斎藤の事を考えての行動をとっただけで、
ここまで言われなければならないとしたらアマチュア野球の監督は辛いですよ。


それに選手選考のための視察は結構な事ですが、
まだ五輪本選は1年以上も先の事であり、
それまで在籍する全選手の事を見続けなければならないという、
かなり辛い作業であります。

だから球界に関係する発言ももっと慎重になってもらいたいものです。
これも上記と同じ講演会で吐いたらしきものですが、
「マー君(田中将大)、あれは面白い。いいですわ。楽天はマー君でもっている」
という楽天全選手に対する侮辱に値する発言、冗談じゃない。
これじゃあ田中以外の選手は「俺達の事はどうでも良いんだな」なんてガックリしてしまうじゃないですか。


今年の楽天は田中以外の選手もとても面白いんですよ。
エースの岩隈が開幕からいける見込みで、一場有銘の成長も楽しみです。
台湾勢の林コンビも居るし、青山・渡辺恒樹も目下絶好調、
ローテーションに入らんかという勢いです。
これも田中加入という相乗効果がもたらした産物なのでしょう。

だからどのメディアも田中を取り上げる際は、
そんなチーム全体としての変化にちょっとは触れてもらいたいものですが、
仮にもOBである星野氏自身こんな発言していたらますます一部の有名選手にしか目がいかない風情を作ってしまうじゃないですか。
斎藤・田中という「甲子園の二大スター」の名目を必要とするよりも、
もっとやるべき事は他にあるはずですよ。


星野氏の野球に対する情熱は解ります。
それが理解されているからこそ五輪監督という重大なポストを任されたのでしょう。
だからといって「どんな犠牲を払ってでも金メダルを目指す」と言わんばかりの姿勢には正直納得できません。

バベルの塔の例を出すまでも無く、
頂上だけ上辺だけを見ていたら、どんなものでもいつかは崩壊が始まるんです。
この時期に具体的な選手名をポンポン出すよりも、
とにかく予選開催まで現場に足を運び続ける、
そして上記の講演会のようなヘンな馴れ合いなどせずに、
ただひたすら選手達のプレーぶりに目を向ける。
これが出来なければ選手選考する資格が無いと思いますよ、冗談抜きで。
(だから積極的に足を使えるという点で若い人材中心の首脳陣というのは重要なんです、失礼な話ですが)


昔と違って、
今の野球は選手全体のレベルがかなり底上げされて来ました。
だから選考する方も、ふるい落としてという事ではなくて、
選手全体をその気にさせるような前向きな選び方をして欲しい。







初回から長くなりましたが、これから週一で思う事を書き連ねていきたいと思います。